かわや(旧よろずや)のブログ

好きな乃木坂、映画、漫画などについて語ります。

33枚目シングル表題曲『おひとりさま天国』感想、考察もどき

一年以上前のネタばかり書いているので、たまには旬なネタも書かなくてはという強迫観念に駆られて、33枚目シングル『おひとりさま天国』をネタにいろいろ書くことにしました。

www.youtube.com

8/10の夜にMVが公開になりましたが、その翌日に2回くらい見ました。そのうえで歌詞とMVを中心に感想というか、考察もどきを書いていきたいと思います。

あんまりきちんと見てないので、データが間違っていたり、後で気が変わって書き直したくなる可能性がありますが、今回は時間優先てことで。



歌詞について

歌詞を読んで思うのは、一言でいうと「恋愛不器用、でももしかして小悪魔?」ですね。

 

歌詞の全体的なトーンは、「恋愛なんて面倒、だから一人がいい」ということなんですが、そうは言いつつ別のニュアンスのワードが挟まっています。

 

「恋愛なんて関係ない」と言っているわりに、ジャケ写に映っている表情が吹っ切れているような表情に見えませんね。おそらく「It's the single life」の歌いまわしの可愛さと符合させる形で、こういう表情しているように見えます。



まず、サビのところに挟まっている『Oh my gosh!』(なんてこったい)と『Lonely way!』(寂しい生き方、かな?)。

そうは言いつつも、その考えに落ち着かないという感情を表しているように見えます。

それと、歌詞のあちこちで一生懸命、恋愛の負の部分を強調しているところも、大分強がってるなあという印象がします。言えば言うほど、ってやつですね。

 

それから2回目のサビの後の歌詞、

『ああ 恋は苦しいことばかり/平常心で暮らしたい/好きになったら大騒ぎ/パートナーいなきゃ問題ない』

いざ恋愛すると、「苦しい」「大騒ぎ」ってことなので、付き合ったら恋愛一色、おそらくかなり一途な性格なんじゃないかなと思います。

地に足が付いていないというか、自分自身が確立できていないというか、そんなせいで、恋愛したらそれに飲み込まれて自分ではなくなってしまうことに恐れを抱いている、って感じでしょうか。

自分自身を確立する、なんて偉そうに書きましたが、これはなかなかの難題です。年齢を重ねたからって達成できるもんでもないので、違う表現の方がよかったかな。

まあいいや。

 

その後の歌詞に『もう振り回されないよ』、(恋愛しなければ)『本当の自分でいられるから』などと言っていますが、そうやって振り回されているのも「本当の自分」という自覚が抜けてますね。というか、そういう自分を認めたくないので、敢えて目をつぶっているのでしょう。

 

1番目の歌詞の『憧れとは恐ろしい/なんだか寂しくない/むしろ最高、戻れない』という歌詞がありますが、「戻れない」と言っているので、過去に付き合った男性はいたんじゃないかと思います。

恋愛恐怖症に陥ってしまった理由は、付き合った男がとんでもないやつだったか、理想が高すぎて現実とのギャップに幻滅したかのどちらかだと思いますが、「憧れとは恐ろしい」と言っているので多分、後者なんでしょう。

 

ここから見えてくる人物像は、自分自身が薄くて、恋愛するとそれに飲み込まれて自分を喪失してしまうことへの怯えがあり、恋愛に対する期待値が高くて、いざ付き合ってはみたものの、期待とは大違いで幻滅し、恋愛の負の部分ばかりに目が行くようになってしまった、というように見えます。

みんな、そんな失敗を繰り返しながら、右往左往しながら自分との付き合い方、他人との付き合い方の落としどころを探っていくわけですが、この歌詞から察するに、そこまで行き着くには道のりが遠そうなので、恋愛経験は少ないように見えますね。

もしかして、前に付き合っていた男性は一人きりで、そこで理想と現実のギャップで幻滅した、というところかもしれません。

 

まあ、こうしてみると、一所懸命強がっている可愛い女性、という見方ができるわけです。

そりゃそうですね。アイドルグループが「脱恋愛路線」を打ち出すわけはないでしょうから。

おひとりさまが多い現代的な世相を取り込み、そしてもしかしてリアルな和ちゃんの性格(あんまり器用でないところとか、理想が高いところとか)も取り込み、みたいな歌詞なんでしょう、きっと。

 

個人的に引っかかっているところは、もしかして、それもポーズなんじゃないのか、というところです。

考えすぎかもしれませんけど。

サビに入っている『No thanks!』(いいえ、結構=構わないで)、1回目のサビ前の『もう大丈夫よ/放っておいて』というところなんですが、誰がちょっかいかけてくるのか、というところが少し引っかかっています。

女友だちが心配して、たとえば合コンに誘ったりしているのか、という状況もありありなんですが、もしかして男性からの誘いのような気もするんです。

というのも、(話が少し飛躍しますが)プールのジャケ写に映っている和ちゃんの顔が少し物欲しそうな顔というか、少し憂いがある顔をしているのと、(全部通してまだ見てないですが)ダンスがやたら可愛くて、実はめちゃめちゃ媚びているんじゃないか、という疑念が首をもたげるんですね。

もし、そんな風に実は媚びているのだとしたら、言い寄ってきても絶対に振り向かないという人物像になります。

今までの人物像が180度ひっくり返って、とんでもない小悪魔、ということになります。

 

MVについて

MVは、歌詞とは直接関係なくて、「おひとりさま天国」というワードを切り出して展開したような世界です。

しいて歌詞との関連性として挙げるなら、「確立できていない自分」、「不器用さ」がMVの中でも継承されている感じもしますね。

 

遊び心に溢れていて、おもちゃ箱をひっくり返したような世界ですね。

曲のわちゃわちゃしている感じとよくマッチしていると思います。

 

MVは、引っ越してきたはいいが、ちっとも片付かないダンボールを前に途方に暮れる、そんなシーンから始まります。

設定はおそらく4月から一人暮らしを始めた大学一年生、あるいは社会人一年生じゃないかと思います。もちろん、夏に引っ越してきたばかりという可能性もあります。

しかし、このMVの中では和ちゃんが、実に不器用な人間を演じているので、そんな感じがするんですね。

4月に越してきて、夏(蝉の声がしています)になっても、ちっともダンボールが片付かない、という状況がぴったりはまります。

同じ5期生の証言によると、リアルな和ちゃんの部屋もあまりきれいでない、ということなので、その辺も盛り込んでいるのかもしれませんね。

 

で、さんざん悩んだ挙句、現実逃避に走ります。

空のダンボール箱を覗き込むと、おひとりさま天国の世界へ、という展開ですが、ダンボールがまったく片付いている様子がなく、空になっているダンボール自体がないはずなので、その行為からファンタジーの世界が始まったってことですね。

 

おひとりさま天国の世界に落ちて(天国なのに落ちる?)、目を開けると白い部屋(ボックス?)の入っている自分に気づいてというシーンから、天国の中での話になります。

カラフルなボックスが見える中、白いボックスに白い服を着た和ちゃん、これは何色にも染まっていない和ちゃんを表しているようです。

 

で、ここに出てくる人など、もろもろ総称して天国村と称することにします。字数を少なくしたいんで。

 

天国村では、他の乃木坂メンバーがボックスの中でよろしくやっています。

本人の趣味趣向、それから乃木坂工事中のネタなど、さまざまですね。

これ、制作サイドが各メンバーに何やりたいのか募ったんじゃないですかね。何でも私物の持ち込みもありだったそうなので、そんな気がします。

 

天国村にやってきた和ちゃんにとっては、各メンバーのボックスは自分の可能性なのかもしれません。

それと、ボックスですが、これ、収納ボックスに見えますね。ちゃんと片付けられない和ちゃんを揶揄しているのかもしれません。

 

で、和ちゃんはボックスの中の人とコンタクトを取ります。「ここはどこ?、あなたたちは誰?」みたいな話をしているでしょうが、山下美月さんと久保史緒里さんが天国村の案内役を買ってくれます。

 

天国村の様子は、すべて和ちゃんの心象風景を表しているように見えます。

3回出てくるパフォーマンスシーンがそれを如実に表している感じがします。

 

まず、1回目。

公式MV『おひとりさま天国』より

天国村を囲むようにパフォーマンスを繰り広げます。

ここで注目ポイントは、天国村のを囲んでいること、それからその周りを囲む白い線です。

これは、和ちゃんがまだ天国村の外にいる、つまり馴染んでいないことを表しているんだと思います。

それから周りの線ですが、これは和ちゃんが自分の殻を破れない状態にあるとか、世界の捉え方の狭さを象徴しているように思ったのですが、実は2回目、3回目のパフォーマンスでも形を変えて出てきていて、3回目では自分の殻を破ったように見えたので違うかもしれません。

まあ、1回目よりも2回目以降の方が、枠が広がったようにも見えるので、そういうことなのかな。

ちなみに、MVの監督は伊藤衆人さんとのことですが、この方、2期生楽曲の『アナスターシャ』でも同じことやってます。木組みの枠の中で2期生一人一人がパフォーマンスするという。それも何か意味ありげなんです。



2回目のパフォーマンス。

公式MV『おひとりさま天国』より

天国村のレイアウトが変わっているみたいです。天国村のボックスの配置が変わって、中央に大きな広場ができているように見えますね。

それから1回目のときの白い点線が、梯子みたいな形状になっています。

 

中央広場でパフォーマンスを繰り広げます。

天国村の中に入った、つまり天国村に馴染みつつあるということを表しているのだと思います。

 

しかし、この時点では、周りの村民が善意でくれる「おひとりさまお楽しみグッズ」を断れなくて、全部受け取ってしまい、和ちゃん荷物いっぱいで大変なことになってます。

まだ「おひとりさま」としてのアイデンティティは確立できていない状態を表しているようです。

 

3回目のパフォーマンス。

公式MV『おひとりさま天国』より

基本レイアウトは2回目と同じ。着ているものが違ってます。

 

大量になった荷物、気重ねして重たくなった服を脱ぎ捨ててパフォーマンスに興じます。

この時点で、やっと振り切れて村民としてのアイデンティティを確立させようという段階に入ったことを表しているようですね。

これで例の白いボックスも和ちゃんカラーで染まるってことでしょう。

 

めでたし、めでたし。

 

付け足し、センターの話

29枚目シングル『Actually...』に収録されている5期生紹介の動画で、井上和さんの紹介のされ方が結構、印象的です。

動画の冒頭に後ろ姿、横顔のショットが続き、なかなか正面の顔を見せないんですが、さんざん気を持たせた挙句、顔正面が映ります。明らかに他のメンバーよりも引っ張った演出になっています。

「この子で売るからね」という意図がみえみえで、運営サイドの荒い鼻息が聞こえてきそうな感じです。

その鼻息の勢いに乗って、最初の5期生楽曲でセンター、32枚目シングルで裏センター、かっきーとさくちゃんとセットにして事実上のエース扱い、そして33枚目表題曲でセンターとあいなりました。

やや性急ともとれる表題曲センターへの道のりですが、単純に和ちゃんの美貌やパフォーマンス力だけでなく、そうしなくてはならない事情があったのではないかとも思えます。

巷でよく言われていることだと思いますが、3期生の卒業ラッシュがいつ始まってもおかしくないこと、そうなると今のエース陣では手薄になること、というところだと思います。






 

33枚目シングル選抜予想反省会

 

前のブログ、それとTwitterで、柄にもなく33枚目シングルの選抜を予想しましたが、その当たり外れの検証をしたいと思います。

当たるも八卦、外れるも八卦の世界なので、「反省」ということもないのですが、他に言葉が思いつかなかったので「反省」ということにしておきます。

 

前にブログで自分は「センターが誰とか、フォーメーションがどうとか」に関心がないと言っていましたが、それに反して予想をしました。

なぜかというと、ブログに予想じみたことを中途半端に書いていたんですが、どうせするんなら、ちゃんと予想らしきものをやって男らしく玉砕してこいという心の声に従った、ということなんです。

で、どんな予想をしたかというと、こんな感じです。

 

まとめますと、次のとおり。

 

  • センターは井上和さん
  • フロントに菅原咲月さん、川﨑桜さん、井上和さんの両隣
  • 32枚目で4期生は10人だったのが3人減(佐藤璃果さん、松尾美佑さん、早川聖来さん)、代わりに5期生が3人増(池田瑛紗さん、中西アルノさん、冨里奈央さん)。

 

という予想でした。

筋金入りの乃木坂ファンにしてみれば、薄い予想ですが、その辺はファン歴1年の初心者マーク付きのヤツの予想ということで勘弁してやってください。

 

一つ一つ振り返ってみます。

 

センターの井上和さんは当たりですが、これはもう誰の目からしても既定路線で、別にびっくりするような話でもなかったですね。

ああやっぱりかというのが大方の反応だったと思います。

 

菅原咲月さんと川﨑桜さん、フロント抜擢は外れです。

なんでこの二人を和ちゃんの両隣にしたかというと、5期生の中では和ちゃんを含めて、今のところトップ3の位置づけのように見えるし、少しでも和ちゃんの負担軽減になるかと思ってこの二人を前に持ってきました。

責任感が強く、何かと自分に高すぎるハードルを課しがちな和ちゃんの精神的な負担を軽減したほうがいいのでは、とまあ要らんお世話を焼いたわけです。

そうは言いつつも、歴代のセンターは重圧にめげずにセンターをやり遂げたわけですから、余計な取り越し苦労をする必要はない、ということなのかもしません。

 

ただ、個人的な願望としては、中西アルノさんには選抜にいてほしかったなあと思います。

というのも、和ちゃんが一番心を開いている5期生メンバーは、アルノさんではないかと思うからです。5期生が、みな仲が良いのはわかるのですが、自分の弱い部分をさらけ出せる、精神的な支柱となってくれる相手となると、また話は別になると思います。

歌い手としても人としても、和ちゃんはアルノさんを深く慕っているように見えます。

選抜発表後のアルノさんのブログを読んでちょっとウルっときてしまいました。彼女の6月26日付のブログを引用します。

33rd シングルのセンターは井上和先生!!
私は和がセンターに呼ばれた後1番に駆け寄った自信があります!!
和の夏曲だったら、"こんなイメージ""あんなイメージ"と脳内で勝手にプロデュースして和に力説していました。
キラキラ眩しい夏もいいけど、和だったら昼間の熱が残る夕陽と浜辺がいいなあ!とか
頭にハイビスカスとか刺しちゃったりしてヘルシーな南国なイメージだなあ!とかとか
そんな私を気が早いと笑ってくれる和さんは
考えもつかないほどのプレッシャーを小さな身体で背負おうとしています。

私は近くでそれを支えられないのは悔しいけれど
時々こちらから健康観察に伺いたいと思っています。

※ハイライト部分は筆者

人の感情の機微にすごく敏感なアルノさんがいたら心強いのになあ、と個人的には思います。



4期性が-3人(佐藤璃果さん、松尾美佑さん、早川聖来さん)になるという予想は当たっていたのですが、4期生が減った分、5期生が3人増えるというのは外れていて、実際には3期生二人、5期生一人となりました。まあ、池田瑛紗さんが初選抜というのは当たっていたのですが、全体として見誤っていたので、予想は外れたというのが相当なところでしょう。

 

新体制のお披露目となった32枚目シングルの売上がいまいちだったので、雰囲気を変えるために今度は5期生を大量投入してくるかなと踏んでいたのですが、外れましたね。

さすがに、和ちゃんをセンターにすれば売上アップ、ということでもないような気がするので、大ナタを振るったほうがいいかな、とは個人的に思っていますが、どうなるんでしょうね。

 

 

これで4期生が選抜の半分を占めるという体制から、各期がバランスよく選抜を分け合うみたいな感じになりましたね。

ただ、嫌な感じも漂っていますね。

去年の30枚目から見える傾向なのですが、久しぶり選抜と初選抜が1回限りで続く傾向があるように見えます。具体的には30枚目の佐藤楓さん、31枚目の阪口珠美さん、林瑠奈さん、32枚目の佐藤璃果さん、松尾美佑さんです。久しぶりの選抜、あるいは初選抜となった後、1枚限りでまたアンダーに戻っています。

たまたまなんでしょうか。つい最近公開したブログの中でも同じような傾向について言及しています。

この辺はいずれはっきりするでしょう。

7枚目シングル『バレッタ』~その壱 選抜発表とMV

 

なんで今頃『バレッタ』なのかというと、単に自分が乃木坂にハマったきっかけが「不遇の2期生」というキーワードだったわけで、7枚目シングル『バレッタ』の選抜発表の異様な雰囲気はかなり鮮烈な印象を残したわけです。

そこからの乃木坂の動きを追っていくうちに面白くなって乃木坂にハマったのですが、乃木坂ファンとしては、ちょっと変わり種かもしれません。

今回の記事では、7枚目シングル『バレッタ』の選抜発表の前編、MVの感想(考察?)を書いていきます。後編では選抜発表の後編、センター堀さんのその後について書くつもりです。

 

7枚目シングル『バレッタ』の選抜発表

2013年10月7日放映の「乃木坂ってどこ」の第104回目で7枚目シングル『バレッタ』の選抜発表が行われたときの様子と感想を簡単に紹介します。

 

「乃木坂ってどこ」の選抜発表、それから、その後継番組の「乃木坂工事中」の20枚目シングルくらいまでの選抜発表では、選抜として選ばれた人が前に立ってバナナマンさんと短く会話を交わしてから、選抜メンバーが並ぶひな壇に立つという方式で発表が行われていました。

今では番組の最後にちょっと選抜メンバーのコメントが紹介されるだけですけど。

メンバーの成長ぶりや、メンバーとバナナマンさんとのよい関係性が見れたので、前の選抜発表の方が好きでしたね。

 

さて、本題の7枚目シングルの選抜発表です。

 

選抜発表の話に入る前に、『バレッタ』までの大まかな流れを追ってみましょう。

1~5枚目は生駒里奈さんがセンターで、生駒さんを中心に若いメンバーがフロントに出て、それを御三家(白石麻衣さん、橋本奈々未さん、松村沙友里さん)を中心とするお姉さんチームが2列目を固めるという基本路線を採っていたのですが、6枚目の『ガールズルール』では一転して、お姉さんチームがフロントに上がるという変化が起きました。

1枚目から7枚目までのシングル売上は下の表のようになっています。

 


売上はそれまで順調に伸びていたようです。4枚目から5枚目にかけての売上が伸び悩んでいるようですが、ただ、ここだけを見て頭打ちになったと判断するのは早計のようにも見えるので、変化の要因を売上以外に求めることにします。

 

 

実際、この当時の人気は、握手会の完売状況で見ると、御三家が圧倒的に強く、それを秋元真夏さんや西野七瀬などのメンバーが追いかける状態になっていました。生駒さんを含めたフロント陣営の人気はそれほどでもなかったというのが実情のようです。

ですから、そんな人気の高さを背景に、満を持して御三家がフロントに上がったというところではないかと思います。

 

1枚目から6枚目まで一貫して16人編成だったのが、7枚目では17人編成。選抜の人数を聞いて、メンバーがざわざわします。

編成人数もさることながら、ここで起きた大きなポイントは、

  • センターを固定化するのを止めた
  • アンダーから選抜に抜擢する流れが始まった
  • センターに研究生だった堀未央奈さんが抜擢された

 

ということになると思います。

 

センターを固定化するのを止めたということは、マンネリ化を避けたということでしょうか。

固定化というのはビジネス的には旨味が減るような気がします。

むしろ、次のセンターが誰になるのかなというドキドキ感とか、次のセンターになれるように推してみようかなとか、ファン層の気持ちを刺激する方が、ファンにとってもビジネスにとっても旨味があるでしょうから。

センター固定路線もそろそろいいかな、という運営側の判断もあったのかもしれません。

 

 

アンダーから選抜に引き抜くという流れも7枚目から始まりました。この動きは、10枚目あたりまで続きます。

7枚目では、アンダーから衛藤美彩さん、川後陽菜さん、中元日芽香さんの3人が選抜に選ばれます。

ただ、この流れも、もろ手を挙げて喜んでもいられないようで、7枚目で選抜に選ばれた3人のうち、衛藤さんはその後、選抜常連組になりましたが、川後さんはこれか唯一の選抜経験、中元さんは都合3回選抜に選ばれただけで、明暗がはっきり分かれています。

こうして引き抜かれた人たちの中には、人気の指標の1つである当時の握手会の状況から見て成績が芳しくなかった人も多く、多分に温情が入っているように見えます。

 

好意的に解釈すれば、「なかなか日の目を見ないメンバーにチャンスを与えた」という見方もできますが、嫌な見方をすれば、これから1期生の立場を脅かそうとしている2期生に対する警戒感、拒否反応、不満をガス抜きするため、という見方もできます。嫌な見方ですけど。

『バレッタ』の発売時点で1期生の在籍人数は30人、そのうち5人が選抜経験なしです。

そのような状況の中で2期生が入ってきて、しかも選抜メンバーとして引き抜かれると、1期生の立場がなくなってしまいますから。当然、2期生をよく思っていない人もいたでしょう。

 

そして、センターに2期生研究生が抜擢された話なんですが、ちょっと長くなりそうなので、選抜発表の様子は続編に回し、『バレッタ』のMVに話を移します。

続編では、選抜発表の異様な空気、その後の堀さんの動きを追いながら自分なりの感想を書いていきたいと思います。



7枚目シングル『バレッタ』のMV

堀さんのセンター抜擢と同様に、7枚目シングルのMVもなかなか衝撃的な内容です。

YouTubeで公開されているバージョンはShortバージョンです。

www.youtube.com

曲、歌詞、ダンスはよくわからないのでドラマに着目して見ていきたいと思います。

 

まず、公開されているバージョンがShortバージョンであるため、ドラマが尻切れトンボになっています。

その後の状況については、こちらの公開動画でも秋元真夏さんとかが説明していますので、そちらも参考にしてください。

 



簡単にFullバージョンについて解説します。

Shortバージョンでは、人をマネキン(剥製?)にして売りさばくという組織に捉われた堀さんを、白石さんを初めとする仲間たちが組織に殴り込むというところで終わります。

この後、銃撃戦になって組織を全滅させます。堀さんを解放し、やあよかったよかったとみんなで帰るところで白石さんが後ろから銃で撃たれます。撃ったのは堀さん、「だって、こうするしかないじゃない」。そして、銃が一発鳴り響くところでMVは終わります。

 

これはかなり衝撃的なラストですね。

まあ、アイドルのMVらしからぬバッドエンドということもありますが、白石さんの後任のセンターが白石さんを後ろから銃で撃ちぬくって、ただでさえナーバスになっている白石さんのファンの神経、逆なでしてませんか?

当時は乃木坂に関心がなかったため、そのときの空気感がわからないのですが、ネットで調べる限りでは堀さんのアンチが一杯ついたということらしいです。客観的な資料で確認できないため、真偽のほどは定かではないのですが、もしそのとおりだったとしたら、さもありなんという話ですね。

堀さんの苦難の歴史は、こんな感じでスタートします。



さて、MVの話の流れを追っていきたいのですが、実際のところ、パズルのピースを半分以上抜かれたようなMVになっていて、想像力でいろいろと補わなくてはならない部分がたくさんあるストーリーになっています。

つまり、人それぞれで解釈の幅が広くなるってことですね。

まあ何が正解なのかはわからないのですが、自分の中で一番有力な説は次のとおりです。

 

  • 白石さんをリーダーとする組織(「セーラー軍団」と仮称)は、人をマネキン化して売りさばく組織(「マネキン組織」と仮称)との間で契約を結び、マネキンの素材にする女子高生を手引きする代わりに莫大な報酬を得ている。
  • セーラー軍団の活動内容は不明だが、銃器を使っているのだから、おそらく非合法的な活動(要人暗殺とか)をしている。
  • 堀さんが「素材」を渡す役を担っているが、「素材」の調達ができなかった保険のために、堀さん自身が「素材」となる、という契約になっている。
  • 堀さんが素材にされる危険が迫ったときに堀さんを助け出せるように、トイレに携帯電話を隠している。この携帯から短く「助けて」というメッセージを出したときは、堀さんに危険が迫っていることを察知し、マネキン組織に殴りこんで救い出すという手はずになっている。
  • ラストシーンが謎だらけ。辻褄の合う説明が不可能?

 

では、なんでそう思ったのか、ストーリーを追いながら説明していきますね。

 

まずは伊藤万理華さんがマネキン組織に捉われて、組織のボスに注射をうたれてマネキンになってしまうところから始まります。

万理華さんをマネキンにした後、ボスは後ろ向きの女性=堀さんに「もっといい素材を集めてこい」と恫喝します。

この後ろ向きの女性が堀さんであることは、さきの動画で秋元真夏さんとかが堀さんであることを明かしています。

このときの堀さんはずっと後ろ向きで、横から顔が映ったときも顔の下半分しか見えないため表情がわからないのですが、おそらくずっと後ろ向きで「素材」の方をまったく見ていなかったのでしょう。罪悪感のために直視できなかったかもしれませんが、よくわかりません。唇も映りますが、特に表情らしきものはありません。

 

MVの中では終始一貫して堀さんは無表情です。

それと、マネキンにされてしまった女の子たちも無表情です。

4枚目の『制服のマネキン』とも関係があるような筋立てなんですが、なんかいろいろと妄想を掻き立てる演出ですね。

たとえば、実はみんな元は「制服を着たマネキン」で、命を与えられたが、死ぬとまたマネキンに戻るという、そんな不思議な世界観もあるような、ないような。

 

なんで、この現場に堀さんがいるのかというと、マネキン組織の末端として「素材」となる女性を手引きする役目をしていたのではないかと思います。

ボスが「いい素材探してこい」って堀さんを脅しているように見えますので、まずこれは確かではないかと思います。

何かうまいことを持ちかけて組織に連れ込む役目をしているんでしょうかね。同じ女子高生であれば、少なくとも男性が近付くよりも警戒心は弱いでしょうから、手引きしやすいとは思います。

「素材」を組織に渡し、その代金として報酬を得ていたということではないかと。

冒頭の方でボスが自分のことを「マエストロ」と呼べと部下に言っていたので、美術界の巨匠並みの代価を得ていたはずです。もともとが巨額のお金でしょうから、その一部を分け前としてもらったとしても、それなりに大きな額のはずです。

それがセーラー軍団の資金源となっていた、というのが一番自然な流れですね、自分の中では。

 

セーラー軍団が、あれだけの銃器を持ち、それを十分に使いこなせるほど熟練しているということは、それだけお金をかけていたということでしょう。

しかし、若い女の子が普通に生活していて得られるお金じゃありませんね。

 

もちろん、セーラー軍団が独自にやばい仕事をして荒稼ぎしているとも考えられます。

ただ、そうすると、なんで堀さんがマネキン組織に出張って下働きしていたのか(後述)、いまいち理由がはっきりしません。

 

さて、ボスに「素材集めてこい」と恫喝された堀さんですが、素材お披露目のステージに立たされて、次の「素材」になることが発表されます。

なぜ、堀さんが素材にならなければならなかったのでしょうか。

まあ、これもよくわからないのですが、自分の中では、満足いく素材が集められなかったときのために保険として堀さん自身が素材になるという契約を結んでいた、という説が一番有力です。

 

ステージに立たされた後、トイレに行った堀さん、トイレに隠してあった携帯電話から「助けて」と短いメッセージを白石さんの携帯に送ります。

場所などの情報がなく、単に「助けて」というメッセージだけです。

でも、それで事情がわかってしまうということは、あらかじめ設定されていた決まりがあったはずです。

最低限、堀さんがマネキン組織にいること、それから危険(おそらく素材にされる危険)に曝されていることがわかっていて、「助けて」メッセージが送られてきたら、彼女がどういう状況にあるか伝わるようになっていたということですね。

そして、そうなる危険があることがわかっていたから、そのときのためにトイレに携帯を隠していた、ということになります。

この決まりの前提として、堀さんを救出できるという目算も立っていることになります。

これは、両組織の戦闘ぶりを見れば簡単にわかる話です。戦力差が圧倒的です。おそらくセーラー軍団は、普段から実戦を積んでいて、銃器扱いのスキルを磨いていたことになります。逆に、マネキン組織は実戦経験が乏しい、戦闘的に無能な集団ということになります。

まあ、トイレに入った堀さんを「なんか怪しいことしてんじゃないだろうな」と疑いはするものの、何も調べようとしないお馬鹿さ加減がその辺の無能さを表しているように思います。

ということなので、殴り込みに行けば、絶対に勝つという勝算があったということでしょう。

 

セーラー軍団とマネキン組織は、そういう、いつ壊れてもおかしくない共存関係にあったってことになりますね。

 

ちなみに、堀さんから白石さんに送られたメールの日付、10月15日になっていましたが、堀さんの誕生日ですね。

 

いよいよセーラー軍団が殴り込みに入ります。

マネキン組織の人間がセーラー軍団に「あれあれ、どうしたの?」と応対します。

この喋りっぷりからは、お互いに知り合いの関係であること、対立関係にないことがわかります。

対立関係にあったら、こんなぬるい対応はしませんよね。この辺も、共通の利益のためにとりあえず共存している関係と見る根拠です。

ただ、お互いが上下関係にあるのか、まったく別組織なのかは不明です。

 

そして、戦闘。ばったばったとやられていく組織の人たち。

 

ラストシーン。

敵をやっつけたセーラー軍団は、縄で縛られた堀さんを解放します。

そのときの堀さんの表情は相変わらず無表情です。

そして、みんなで帰りましょうモードになっている中、白石さんを堀さんが背後から撃ち抜きます。

銃を撃った後の堀さんが映りますが、このときの表情に注目です。まばたき、表情が一切ありません。

たとえば、こんな境遇に立たせた白石さんを恨んでいるのであれば、恨みが感情として表れるはずです。

あるいは、こんな非人道的なビジネスに終止符を打ちたかったとかいう義憤があったのだとしたら、それなりの表情を見せるはずです。

しかし、恨み、悲しみとか、そういう感情が一切ないんです。もうサイコパスの世界です。『悪の教典』の蓮実聖司ですね。

 

そして、堀さんの裏切り行為にみな戸惑いながらも堀さんに銃を向けます。その後、銃声が一発鳴り響き、ドラマは終わります。

最後の銃声一発は、おそらく堀さんが自らを撃ったということでしょう。それが、一番可能性が高いでしょうね。

 

この一連の堀さんの行動、白石さんを撃ってから(おそらく)自分を撃ったという行動の動機がさっぱりわかりません。

ヒント(?)は、この一連の行動が、生けるマネキンとしての堀さんが唯一、自分の意志で動いた、ということです。

素材を集め報酬を得る、素材を集めることができなければ自分が素材になる、危機が迫れば携帯で連絡を入れる、この一連の流れは淡々と決まりに従った結果にすぎません。そこには自分の意志は一切介在しません。

強引に辻褄合わせするならば、不完全なマネキンとしての自分を完全なマネキンにしたかった、ということなのかもしれませんが(動機は相変わらず不明)、でも、まいやんを巻き込む理由が見当たりません。

曲の最後で堀さんが銃を撃つフリがあるので、とりあえずドラマの方も銃を堀さんに撃たせて締めくくりたかったんですかね。まあ、さすがにそれはないか。

 

本筋からずれてしまいますが、安部公房という作家が若い頃に書いた『R62号の発明』を思い出します。

生きる意志を失い、ロボットとなった男が組織の命令に従って「人間が効率的に働けるマシン」を作るのですが、実はそれが殺人マシンだったという、えぐい話です。



まあ、何となく組織の内部事情など、自分なりに辻褄を合わせたつもりですが、最大の謎、ラストの謎はわからずじまいでした。

いろいろ書きましたが、肝心かなめの説明がぐだぐだで与太話みたいになってしまいましたね。

 

与太話ついでに、しょうもない突っ込みを入れたいと思います。

堀さん、その拳銃はどこから出したの、死体だらけになっているはずなのに死体はどこにいったの、白石さん右胸の上あたりを撃ち抜かれていますが撃たれた部位から考えて即死はないですよね、等々。

 

(つづく)

乃木坂46、5期生楽曲「バンドエイド剥がすような別れ方」~咲月さんは5期生の接着剤?!

 

ここに書いているネタは、もともとは「乃木坂46、32枚目シングル5期生楽曲『心にもないこと』~君たちには帰る場所がある」というブログに書いてあったものです。

しかし、そのブログの中に無理矢理、「バンドエイド剥がすような別れ方」を押し込んだ感があり、いかにも窮屈だったので、もっと書きたかったことを書き足し、単独のブログとして独立させることにしました。

 

さて、本題に入ります。

2番目の5期生楽曲「バンドエイド剥がすような別れ方」のMVについて語りたいと思います。

www.youtube.com

 

この曲の人気は高く、YouTubeで2022年8月12日に乃木坂公式動画として公開されてから再生回数(2023年6月7日時点)が988万回にのぼります。同じく30枚目シングルの標題曲「好きというのはロックだぜ!」が790万回なので、標題曲よりも約200万回多い回数になっています。

5期生楽曲で比較すると、1番目の5期生楽曲「絶望の1秒前」(2023年2月1日に動画公開)が205万回、3番目の5期生楽曲「17分間」が523万回(2022年12月1日に動画公開)、4番目の5期生楽曲「心にもないこと」(2023年3月17日に動画公開)が301万回です。動画公開の時期もあるので、一概に多い少ないを比較できないので暫定ですが、今のところぶっちぎりでトップですね。

ちなみに乃木坂の曲全体の再生回数で見ると、やはり「インフルエンサー」を初めとする「つわもの」の曲があり、そもそも桁が違っているので比べ物にはならないのですが、その中でも善戦しているという感じでしょうか。

 

「ハンドボール転がすような丸め方」の前の5期生楽曲「絶望の一秒前」は、5期生のポテンシャルの高さを見てもらうことが目的だったように思います。

いくらポテンシャルが高いからって、そこは新入生、あまり無理をさせてはなんだからと、曲も振りも少し抑えている印象がします。ダンスの振りもめちゃめちゃ難易度が高いものでもなく、曲も割りと平坦で転調もなくて(多分)、それほど難易度は高くなかったんじゃないかと思います。素人考えなので当てになりませんが。

しかし、「バンドエイド...」では、一転して、曲が転調するし、前の列と後ろの列が目まぐるしく入れ替わるわで、ちょっとハードになっています。

さしずめ、5期生育成プラン・フェーズ2始動というところではないでしょうか。

 

MVに出てくる学校の黒板に7月5日って書いてあったので、撮影時期はそのくらいの頃ですかね。暑かったでしょうね。炎天下で長時間の撮影となり、大変だったという話も出てますね。

 

まず、曲について触れますと、キーがFとA♭の間を行ったり来たりする曲で、イントロがFメジャー、歌い出し(Aパートっていうんですかね?、ちゃんと勉強しておけ自分)がA♭メジャー、サビがFメジャー、てな感じ、これを繰り返します。

ダンスには疎いので、よくわからないんですが、テーマは海みたいですね。

波の動きを表現したり、平泳ぎやら背泳ぎやら泳ぎのポーズが入ったり、耳に入った水をとんとん叩いて出したりとか、少しコミカルな要素も入っていますね。

面白いのは、パフォーマンスシーンで、彼女たちがガラス板(?)の上でパフォーマンスを繰り広げるところですね。これ、おそらくガラス板を海面に見立てたのだと思います。

透明なガラスで水の透明感を出しつつ、下に敷いた青いシートの色で水の色を出すというのは、とてもナイスなアイデアだと思います。

このガラス板、4番目の5期生楽曲「心にもないこと」のMVにも出てきます。なんで「心にもないこと」でこれが出てきたのかについては、こちらのブログで取り上げています。

それと、パフォーマンスシーンの色合いもいいですね。空の青さと木々の緑の色合いが映え、メンバーもすごくかわいく映っています。個人的には、あーやとなおなおがすごく可愛く映っていると思います。

イメージ的には、海面の上で妖精たちが、男の子の失恋の歌を踊りながら歌う、というところでしょうか。

 

詩には疎いんで、スルーして、ドラマを追っていきたいと思います。

 

舞台は女子高、何でも「何度目の青空か」のMVでも使われた廃校なのだとか。

ちなみに、久し振りに「何度目の青空か」のMV見たんですけど、思わず吹いちゃいました。サビの「何度目の青空か」の歌声に乗って、便意を催した男子生徒がトイレを探し回るという。

センターのいくちゃんが変な人だから、MVも変にした、ということはさすがにないでしょうけど。

 

ま、それはよいとして。

 

菅原咲月さんは5期生の中でもとりわけ親しみやすいキャラで、私も大好きなメンバーなので、彼女の代名詞ともなっている「小吉」を呼び名として使わせていただきます。

 

このMVの大雑把なストーリーは、最初よそよそしかった5期生が小吉さんを中心に関係を深めていく話です。

勉強苦手でアイドルオタクな小吉さんが、勉強にもついていけないし、クラス内の薄い人間関係に居心地の悪さを感じていたが、ふとしたきっかけで周りの子と親交を深めていく話ですね。

 

設定上、小吉さんが落ちこぼれ、隣に座っている井上和さんが優等生。それで、何かと和ちゃんが小吉さんのことを気にかけているのですが、理由はわからんです。

教室の中ではまったくコミュニケーションがないし、廊下ですれ違っても知らん顔するし、そんな薄い人間関係に居心地の悪さを感じている小吉さんにシンパシーを覚えているとか、実は和ちゃんもアイドルオタクで親しみ感じているとか、そんなところでしょうかね。

 

休憩時間にスマホを取り出しては乃木坂のパフォーマンスを見入っている小吉さんに、井上和さんが勇気を出して話しかけると互いに談笑が始まり、そこに一気にメンバーが集まり、いきなりわちゃわちゃし出すという、現実では考えられない異常な距離の詰まり方をしていますが、この辺はドラマということで割り切りましょう。

 

MVの後半からメンバーが別々の組になって映るシーンが出てきます。

まず、小吉さんが一人、その後に、井上和さん、川崎桜さんのペアを皮切りに、メンバーが何人か組になって映るのですが、互いに別々の方角を向いています(ただし、小川彩さんは一ノ瀬美空さんをじっと見つめています、たぶん)。おそらく5期生は、みんな方向性、性格が違うことを表しているのだと思います。

そして、最後の組の井上和さん、川崎桜さん、小吉さんの3人組が登場します。

 

「乃木坂46『バンドエイド剥がすような別れ方』(乃木坂46 OFFICIAL)」より

 

ここで注目したいところは、この組だけ笑顔になっていること、それから、井上和さんと小吉さん、体の向きは違っているけど、見ている方向が同じであること。

 

一点目は、小吉さんがいると自然に笑顔になる、ということですね。

5期生の中でもコミュ力の高さには定評がありますし、人の懐にすっと潜り込み、気持ちよく喋らせてしまうところは天性の(良い意味で)「人たらし」的な要素が強いように思います。

それと天性の勘の良さもあるように思います、何となくですが。相手がどんな状況なのかを知ったうえで、相手にどこまで近づくか距離を測れるという。

 

二点目は、井上和さん、小吉さん、(体の向きが違っていて)互いに性格は違えど、目指すところが同じ、という意味ではないかと思います。

5期生をざっくりとキャピキャピ派とマッタリ派に分けるとすると、小吉さんはキャピキャピ派、井上和さんはマッタリ派に入るんだと思います。

というか、多分、対照的な性格をしていると思います、お二人は。

和ちゃんは眉が太目⇒意志が強い、唇がぼてっとしている⇒情が濃くて引き摺るタイプ、一方、小吉さんは眉が細い⇒意志が弱い、唇が薄い⇒割り切りが早いタイプ、というように見えます。顔見ればだいたい性格わかります。自分、骨相学やっていたもんで(←嘘)。

二人とも5期生のまとめ役として頑張っているみたいですし、前キャプテンの秋元真夏さんも「グループ全体のことを考えている」と二人のことを高く評価していて、その発言の中には、5期生を引っ張っていく存在、やがては乃木坂全体を引っ張っていく存在になる、という期待値も入っているように思います。

 

簡単にまとめると、自分には、個性派集団の5期生をまとめるのに小吉さんが大きく貢献したということを言っているように見えます。

もし、そうだとすると、運営サイドの小吉さんに対する信任は相当厚いのではないかと想像できますね。

組織論で見る32枚目シングルと33枚目シングルの選抜

 

唐突でなんですが...

yorozu83 on X: "5期生曲でセンターやった3人+1人くらいだと思ったけど、5人入りましたね" / X

32枚目シングル選抜発表後の自分のつぶやきです。

 

そういえば、なんでこういう風に思ったんだっけと振り返ると、普通の組織論でそう考えてたんだなと思い出し、そして、そこから33枚目の選抜もざっくりとは展望できるなと思い、こうしてブログを書くことにしました。

 

組織論なんていうと堅苦しいですが、そんな大層なものではなくて、部活でも会社でも何でもいいのですが、ある程度の人の集まりがあったら、ごくごく普通に守られるであろう基本なマナーみたいなものです。

そういう意味では、これから書くことは、わりとありふれた内容ですし、すごーくつまらない話かもしれません。

 

ちなみに、そもそも誰が選抜入りするかとか、フォーメーションがどうとか、メンバーの序列がどうとかにあまり関心がないので、33枚目シングルの選抜の予想をすごーくざっくりとした単位で書こうと思います。

 

32枚目シングルでは5期生の選抜は少ないと思っていた

31枚目シングルが飛鳥さん卒業シングルという特別な形になるため5期生は入らず、32枚目シングルから5期生が入るというのは、あちこちで囁かれていた通りで、もっぱらの関心は、32枚目に入ってくる5期生は何人なのか、誰が入るのかということでしたね。

 

自分なりに、ぼんやりと予想を立てていたんですが、個人的には5期生の選抜は4人くらいかなと思っていました。

具体的には、それまで5期生楽曲でセンターをやった井上和さん、菅原咲月さん、川﨑桜さんがまず当確で、それにプラス1名として、キャラが立ってきた一ノ瀬美空さんあたりかなと思ってたんです。

何ならプラス1はなしで、3人だとしても、まあそんなもんだろうくらいに思ってました。

 

なんでそう思ったのかというと、ごくごく基本的な組織論からすれば、そうなるのが自然であろうと考えたわけです。

 

32枚目からは、それまで乃木坂を支えてきてくれた1期生、2期生が一人もいなくなります。

当然、一番先輩に当たる3期生は梅澤美波キャプテンを中心に「自分たちが引っ張っていかなきゃ」と気合が入っているはずです。

4期生も、先輩の背中を追っかける立場から、後輩に背中を見せる立場になったので、やっぱり気合が入っているはずです。

 

そういう3期生、4期生の思いが結実した選抜になるとしたら、3期生が前面に出て、それを中心に周りを固めていくのが自然です。

 

これに反するダメダメなケースは、5期生が人気だからといって、5期生の選抜入りをむげに増やしたり、センターやフロントの主要ポジションを占めたりするようなパターンです。

そんなことをしてしまうと、まるで「これからは5期生の時代でーす」と言っているようなもので、3期生、4期生の思いに水を差すことになりますし、組織的にまとまるわけありませんね。

 

というわけで、5期生の選抜入りは控えめであろうと予想したわけです。

まあ、ざっくりとした見方だと、自分の予想は概ね合っていたことになるんですかね?

 

これで、これからは3期生中心に一致団結していくからなと対内的にも対外的にも宣言したわけです。

しかし、裏を返せば、32枚目である意味、儀式を終えたというか、筋を通したというか、仁義を切ったというか、そういう類いのことをやったのだから、次からは5期生をもっと増やして問題ないということになります。

つまり、運営側から見たら「この子たちをみんなで育ててやってください。よろしく頼む」という入れ方がやりやすくなった、ということになるんだと思います。

それに実際問題として、加入年と年齢から見ても、そろそろ3期生の卒業ラッシュが始まるタイミングです。5期生の育成が急務になると思います。

 

 

33枚目シングルでは5期生が大躍進?!

いま、ミーグリの完売状況とかを見ても、乃木坂人気の大きな部分を5期生が負っていることは明らかですね。

また、遅ればせながら29枚目シングル辺りから乃木坂の動きを追っかけているのですが、前のブログ(『菅原咲月さんについて思うこと~乃木坂という枠を広げる存在?(1/2)』や『中西アルノさん、いろいろ~その壱 Actually... 』)でも触れたように、運営側の5期生に対する期待には、なみなみならぬものがあるように見えます。

さしずめ、やや頭打ち状態になっている乃木坂人気のカンフル剤といったところでしょうか。

 

となると、おそらく次回のシングルでは、5期生が多くなるんじゃないでしょうか。

選抜入りの指標としてよくミーグリの完売状況が使われますが、32枚目シングルのミーグリで見ると、4次募集までで完売した5期生は全員、選抜入りするんじゃないかと思っています。

つまり、今の選抜メンバー5人に、アンダーで活躍している池田瑛紗さん、冨里奈央さん、中西アルノさんの3人が選抜に合流して都合8人になるということです。

まあ、実績的に見て、彼女たちが選抜に入らない理由が立たないように思います。

 

で、センターですが、Wセンターが続いたことはないので、次は単独センターですかね。まあ、誰がセンターになってもおかしくないと思いますが、個人的には井上和さんじゃないかと思います。

32枚目シングルで裏センター(2列目中央)のポジションにつき、あれだけ目立ったわけですし、媒体露出もかなり多いので、フロントは確実、いまの人気の高さからするとセンター候補筆頭だと思います。

ただ、彼女が次のシングルのセンターになった場合、ほぼ確実に夏の全国ツアーの座長さんになるので、少し荷が重いかなあという心配もあるのですが、それでも乗り切っちゃうんじゃないかなあと思っています。

彼女自身がポテンシャル高いのもありますし、周りがうまくサポートしてあげれば何とかなるのではないかと無責任に思っていたりします。

 

そうすると、33枚目の選抜人数によっては、いまの選抜メンバーから外れる方も出てくるでしょう。

3期生は、よっぽどのことがない限り、ほぼ5人(山下美月さん、久保史緒里さん、梅澤美波さん、与田祐希さん、岩本蓮加さん)で動かないでしょうから、そうなると、相対的な見方で見ると、(選抜の人数にもよりますが)5期生が増えた分、4期生が減るということになりますね。

 

以上です。

中身薄かったですねwww。

中西アルノさん、いろいろ~その壱 Actually...

去年、鳴り物入りで乃木坂に入ってきた5期生、その中でも中西アルノさんの存在はすごく大きくて、一番衝撃的な出来事ではないかと個人的に思っています。

それで、今回は第一弾として、それから彼女がセンターを務めた29枚目シングル『Actually...』について触れたいと思います。

 

『Actually...』に見る乃木坂の本気度

29thシングル『Actually...』が発売されて一年以上経ちましたが、この曲の評価は真っ二つに割れているようですね。

乃木坂が変わろうとしていると好意的に受け止める声もありますが、曲の振りが中西アルノさんとそのバックダンサーみたいになっているというような批判的な声もありますね。

ただ、MVを観ていると、そういう賛否両論が沸き起こるのは承知の上、というように見えます。

 

素人目にも曲調、歌詞、ダンスが攻めている感じですね。

MVは、曲のパートとドラマのパートに分かれています。ドラマのパートは約20分間。観る側に緊張感を強いる見応えのあるドラマになっています。

今回、改めて観なおしたんですが、結構しんどかったです。

 

曲、歌詞、ダンスにも力が入っていることはわかりますが、具体的に何がよいのかとか、注目点なのかとかはわからないので、とりあえずMVのドラマパートについて語ります。

 

正直、いまさらMVのことを語っても、あんまり得るものはないかなという感じはあったりします。

誰が見ても「乃木坂は変わるからね」と言っているのは明白にわかるでしょうし、簡単にまとめるとそれ以上のことは言っていないように見えますし。

しかし、日本映画界でも重鎮的な存在である黒沢清監督を起用したところにも、乃木坂の本気度が伝わります。

まあ、中西アルノさん自身に深く切り込むことにはならないでしょうが、彼女に何が期待されているのかが少し語られている気がするので、ゆるーくMVの感想など書いていきたいと思います。

 

ドラマパートをざっくりとまとめると(敬称略)、変わろうとする力(トランジスタシス)=中西アルノ現状を維持しようとする力(ホメオスタシス)=山下美月その中間に位置する人=齋藤飛鳥を軸に話が展開していくという構成になっています。

人間の中では、常にトランジスタシスとホメオスタシスがせめぎ合っているという。エヴァンゲリオンで金髪のねえちゃんが喋っていた気がする。

三人の服装を並べて見ると、中西アルノさんと山下美月さんの服がペアになっていることがわかります。これは、この二人が対になる存在、表裏一体の存在であることを暗示しているように思います。

下の画像の左側が山下美月さん、右側が中西アルノさんです(後ろに映っているのは斎藤飛鳥さん)。


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29thシングル『Actually...』収録MVより

 

この二人が飛鳥さんを懐柔して自分の勢力に取り込もうとするのですが、結果的に飛鳥さんはアルノさんの側に付くことを拒否し、しかし変化を受け入れるという決断をします。

 

粗筋をざっとまとめると、こんな感じです。

  • 新しく研究生として加入した中西アルノが乃木坂を壊してしまうのではないかと危機感を感じた山下美月さんが、中西アルノさんを騙して古いスタジオに閉じ込めてしまう。
  • しかし、すでに一日以上閉じ込めていて罪悪感に駆られた山下美月さんは、そのことを通りがかりの齋藤飛鳥さんに告白。
  • 齋藤飛鳥さんは安否を確認するためにスタジオに行き、中西アルノさんの無事を確認。
  • スタジオの中で齋藤飛鳥さんと中西アルノさんが会話し、齋藤飛鳥さんも中西アルノさんが危険な存在と認識する。
  • 齋藤飛鳥さんは、スタジオを出て山下美月さんにアルノさんの無事を報告。そして、中西アルノさんが起こそうとしている変化から逃れられないと打ち明け、それを受け入れようと山下美月さんを説得する。
  • 中西アルノさん、何かにとりつかれたように、建築中のビルのてっぺんによじ登る。

 

それでは、シーンを個別に見ていきたいと思います。

冒頭のシーン。


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29thシングル『Actually...』収録MVより

 

点々と部屋の電気が点いたビル群。

これ、夕焼けのビルにも見えますが、おそらく早朝なんじゃないかと思います。

もし、映像の時間軸通りに物語が進んだと仮定すると、時期は冬(中西アルノさんがコートとマフラーをしているので真冬とわかる)で、日が沈むのが早いはずですから、最後のアルノさんがビルをよじ登るシーンは、すでに暗い状態になっていないとおかしいと思います。

しかし、よじ登るシーンで明かりがさしているので、夕暮れ時ではなく、早朝と見た方が自然ですね。

そして、この時間帯になっても、乃木坂のメンバーたちがまだ振りの練習をしているということは、今回の振りの難易度が高くて、練習にすごく時間がかかっているという意味かもしれません。

乃木坂のメンバーが出てくるのは、これが最初で最後。あとは斎藤飛鳥さん、山下美月さん、中西アルノさんの三人だけでストーリーは進みます。

 

練習を覗きに来た山下美月さん、その中に中西アルノさんの姿がなく、顔面蒼白になります。

 

そういえば、齋藤飛鳥さんと山下美月さんの位置づけがよくわからないんですが、練習していないところを見ると現役メンバーではないようです。あとでアルノさんが飛鳥さんを憧れの存在だった旨の発言をしていることから、飛鳥さんは今は引退して運営側のスタッフとして働いているのかもしれません。

劇中、彼女たちの立場がはっきりとわかるようなものは出てきません。

 

山下美月さん、通りかかった先輩の斎藤飛鳥さんを「飛鳥」と呼び捨てで呼び止めます。

別に美月さんが出世したから呼び捨てにしたとか、もはや飛鳥さんをいじるだけでは飽き足らず完全に見下しているとか、そういう話ではなくて、単に乃木坂を舞台にしているけど、乃木坂のリアルな話じゃないからね、虚実ないまぜだからね、という作り手からのメッセージでしょう。

 

話を戻します。

ここで、山下美月さんが中西アルノさんを危険人物として見ていて、今は使われなくなった古いスタジオに閉じ込めたことを告白します。ドアの前にワゴンを置いて出てこれなくするという、かなり悪質なことやっています。

ここで不自然なのは、自分がやったことの悔恨よりも、自分のやったことの正当性を飛鳥さんに一生懸命主張していることです。

それを裏付けるかのように、乃木坂のメンバーはアルノさんの不在を気にしていません。普通だったら騒ぎになりますよね。つまり、彼女は美月さんだけでなく、メンバー全員から(あるいはスタッフも含めて)その存在を煙たがられていて、孤立していることになります。

美月さんは「中西アルノをてなづけようとした」と発言しているので、一応、アルノさんを取り込むことを考えたが、それを断念し(おそらく自分の手には負えないと思った)、閉じ込めたうえで、飛鳥さんを自分の側に巻き込み、アルノさんに対処したもらう、というのが美月さんが描いたシナリオのようです。

 

飛鳥さん、ドアを塞いでいるワゴンをどかし、古いスタジオの中に入ります。

部屋の中を歩く飛鳥さんが、スモークがかかったようなぼやっとした映り方をしているのですが、これ多分、ガラス越しに映しているから、こうなっているようですね。

後の方の場面でわかるのですが、このスタジオ、ガラスで部屋、仕切られていますね。

 

中西アルノさん、画面の下の方からぬうーっと起き上がるんですが、この起き上がり方、完全にホラーの演出ですね。


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29thシングル『Actually...』収録MVより

 

普通の状態だったら取り乱してもおかしくないのに、アルノさん、妙に落ち着いています。それに、急に飛鳥さんを憧れの存在として持ち上げ出すのも変ですね。

飛鳥さんがアルノさんをスタジオから出るよう促しても、彼女、いろんなことを言い出して、なかなか出ようとしません。このスタジオの中で恐怖していたと言っていたので、さっさと出ていきそうなものなのですが。

どうやらアルノさん、一対一で話せるこのスタジオの中で、飛鳥さんを丸め込もうという作戦らしいです。

私はどちらかと言うと、大勢の中にいるときこそ、ひとりぼっちを感じるタイプです。齋藤さんもそうでしょ?

これは、リアルな話ですね。他人との間に距離を取り、他人との間に厚い壁を作るという点では、リアルに飛鳥さんもアルノさんもよく似ていますね。

飛鳥さんは「私はひとりぼっちじゃありません」と否定します。そして、アルノさんの真正面に椅子を置き、向かい合います。

アルノさんにみんなと歩調を合わせるように諭します。まあ、そりゃ、そうでしょう。乃木坂の中で浮いてしまっているわけですから。

(アルさん)齋藤さんと私の中にはきっと同じものが流れているんです。
(飛鳥さん)同じじゃない。同じなわけないでしょ。あなたと私は。
(アルさん)そうですか。残念です。

これで二人は決別、齋藤さんはアルノさんとは与しないと宣言します。

ここでアルノさんがくじけると思いきや、飛鳥さんに宣戦布告します。

それまで、アルノさんの顔は斜め下の角度から映っていて、薄ら笑いを浮かべていましたが、ここでカメラの角度が変わり、アルノさんの顔が真正面から映ります。つまり、これから言うことは本音ということですね。

どんな孤独にも増して、この楽しさこそが、私がここにいる理由なんだって、今はっきり理解できました。

「みんなが味方になってくれなくても、自分のやるべきことをやる」という宣言、つまりアルノさんの宣戦布告です。

これは、乃木坂の内外から批判を受けるのを承知で、新しい路線でやっていくんだという乃木坂運営サイドの決意表明ともとれます。

アルノさんの宣戦布告を聞いて衝撃を受けた飛鳥さん、椅子から立てなくなってしまいます。

アルノさんはそんな飛鳥さんをよそに部屋を出ますが、部屋を出た後、ワゴンを引きずる音がします。閉じ込められたと思った飛鳥さんは大慌てで部屋を出ようとしますが、ドアは開きます。

これは、自分が故意に閉じ込められたことを(おそらく美月さんが閉じ込めたことも)アルノさんは知っていたということですね。

 

この後、カメラの視点が、誰もいない階段を下から上の方へなぞるように移動していきます。


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29thシングル『Actually...』収録MVより

 

誰も階段上っていないのに、わざわざこんなシーンを入れたということは、おそらくアルノさんはその道筋で階段を上がっていることを暗示しているように思います。

つまり、飛鳥さんの帰りを座って待っていた美月さんは、アルノさんと廊下ですれ違ったということになります。

この二人が一緒に映るのを極力避けているようですね。互いに打ち消し合う力だからかな。よくわかりませんけど。

 

その後、飛鳥さんは美月さんの元に戻り、顛末を報告します。そして、乃木坂が変わってしまうことを受け入れざるを得ないことも。

それを聞いて美月さんは、「5」(階数)と書かれた数字の下に移動します。これが何を意味しているかは明白ですね。

 

飛鳥さんに抱えられるようにして歩く美月さんと、反対方向にアルノさんが通り過ぎていきます。互いに一瞥もくれません。

その後、アルノさん、ダンスのレッスン場があるビルから出て、何かに取りつかれように、建設中のビルをよじ登っていきます。

まあ、仮にこのビルをアルノタワーと呼ぶことにしましょう。今はまだ他のビルに比べて低いアルノタワーだが、いずれ大きくなって追い抜いてやる、みたいな意気込みを表しているように見えます。


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29thシングル『Actually...』収録MVより

という感じです。

ホラーテイストの入った見応えのあるドラマです。

 

それで、結局、アルノさんがどんな変化を起こすのかは、曲のところを刮目して自分で観ろということらしいですね。

曲もダンスもMVを観ての通り、アーティスティックな路線に振っちゃっています。

30枚目以降、いつもの乃木坂路線に戻りましたが、また何らかの形でアーティスティック路線は復活するんじゃないかなと思います。

なにしろ、中西アルノさんを含む5期生年長組の三人(通称、焼肉三姉妹)は、それぞれ一芸に秀でた芸術家(?)三人組ですからね。

彼女たちが加入したのは、そっち方面の期待値が大きいんじゃないかなと思います。それで、彼女たちが本領発揮する機会がこれから少しずつ増えていくんじゃないかなと。



中西アルノさんは乃木坂史上最高の歌姫

自分の中では中西アルノさんって「乃木坂史上最高の歌姫」なんです。

もちろん、生田絵梨花さんを筆頭に、歌のうまい人を何人も乃木坂が輩出しているのを知っています。

けれども、心の琴線にじかに触れるような歌い方をする人は、自分が知る限り初めてじゃないかなと思います。

 

おそらく、感性がすごく豊かな人なんでしょう。

友達が少なくて一人でいることが多いとか、爬虫類をペットにするなど変わった趣味を持っているなど、普通の人とは違う、典型的な表現者タイプのように見えます。独特の陰を持っているし、感受性も強い人なんでしょう。

こういう人って、人の善意も悪意も、普通の人の倍以上に強く感じてしまうのではないかと思います。

 

表現者タイプっていう言い方をしたのは、単なる歌姫に終わらない素材なんじゃないかと勝手に思っているんです。

なんか宇多田ヒカルさんとかとタイプ似ているんじゃないかなと。

ワードセンスが非常に優れているので作詞とかやってほしいし、はては作曲まで手掛けてくれないかなと個人的に期待しています。

もちろん、秋元康さんの作詞をとやかく言う気なぞ毛頭ありません。ただ、リアルな女性の感性って女性にしか表現できないので、そういうのを彼女にやってもらったら面白いんじゃないかという話です。

少年漫画に出てくる女性が、女性から見るとリアリティがなく、少女漫画に出てくる男性が、男性から見ると「こんな奴はいない」と見えるように、どうしても男女で感覚がだいぶ違うんですよね。

だから、そういう自作自演がアルバムに入ってたら面白いんじゃないかなあという話です。

そうなったら本当に乃木坂変わっちゃいますよね。単なるアイドルの枠にはまらないという。

続編はこちら

yorozu831.hatenadiary.jp

菅原咲月さんについて思うこと~乃木坂という枠を広げる存在?(1/2)

 

菅原咲月さんについて思うこと~乃木坂という枠を広げる存在?

 

別のブログ記事で『バンドエイド剥がすような別れ方』を取り上げて、菅原咲月さんについてちょこっと触れたのですが、内容的にいかにも舌足らずだった気がします。

MVの中で語られていると思われる彼女の5期生の中での位置付けについて、説明しましたが、あまり説得力がないように感じます。

そこで、もうちょっと書き足しておこうと思います。

 

29枚目シングル『Actually』に、ドキュメンタリー形式で5期生の各メンバーを紹介する動画が収録されています。


乃木坂46『Actually...』 - YouTube

 

それを見て、菅原咲月さんだけテイストが違うことに気付いた人もいると思います。

 

このドキュメンタリーの大まかな流れは、しっとりしたピアノの演奏をバックに、花と一緒のメンバーが映り、いかにもアイドルらしいシーンが冒頭から少し続いた後に、本人のインタビュー、お世話になった人との会話、自分が打ち込んできたことの紹介などが続きます。

まあ、いかにも王道的なアイドルの紹介なわけです。

 

ところが、菅原咲月さんだけややテイストが違います。

まず、冒頭のシーン、花を持ったイメージのシーンが終わると、撮影機材が並んだ建物のショットが映ります。

次にその建物の中にいると思われる菅原咲月さんのメイクのシーンに移ります。

のっけから舞台裏お見せしまーす的なノリです。

 

ノリが完全にメイキングビデオの世界ですね。

メインのイメージビデオ撮影用のカメラではなく、おそらく撮影現場の様子を撮っているハンディーカメラの映像が続きます。

 

他のメンバーが、お世話になった人とか、自分が打ち込んできたことをエモーショナルに紹介しているのに、彼女の希望で「ビビリ克服」と称して、バンジージャンプやお化け屋敷に挑み、嬉々としてアトラクション楽しんでいます。


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29枚目シングル『Actually...』BlueRay収録『5期生ドキュメンタリー』より

 

バンジージャンプでカメラ付きのヘルメットを被っています。つまり、よみうりランドに来る前から用意していたってことですね。

おそらく、どのアトラクションに挑むか事前に打ち合わせて決めていたってことでしょう。

 

もはやバラエティーです。

 

バンジージャンプがこの動画最大の見せ場として設定されています。

 

何事にも全力で当たるというのは、メンバーからの咲月さん評ですが、何か取れ高至上主義みたいなものを彼女から感じることができます。

取り高のためには身体を張ることも辞さないという覚悟みたいなものを彼女に感じることができますね。

もしそうだとすると、視聴者に対するインパクト、制作者サイドにとっての取れ高を意識していることになりますね。撮影当時は確か高校一年生だと思いますが、高校一年生にしてすごいプロ意識を持っている、ということになりますね。すげえ。

 

確かに彼女には弓道とか絵とかフィギュアスケートとか特別なバックグラウンドがあるわけではないから、ちょっと変わったことに挑戦してみるというのもありかもしれません。

でも、特にバックグラウンドらしきものの紹介がなくても、一ノ瀬美空さんの動画みたいに、お洒落な着物を着て和菓子を食べるみたいな方がよっぽどアイドルらしいですよね。

 

それと、やたらと喋っているシーンが続くのも変です。

もう延々と彼女の喋りが続きます。髪をセットしてくれているスタッフ、アトラクションに同行しているスタッフ、バンジージャンプのスタッフ、相手かまわず、ところかまわず、とにかく喋り倒しています。

おそらく各メンバーの動画を文字に起こしたら、彼女の動画の文字数がダントツにトップでしょう。

 

なんで彼女のだけ、ややテイストが違うのか?

すでにお察しの方もいると思います。

王道的なアイドルの動画にしてしまうと彼女の魅力が伝わらないからと思った方、多いと思います。

多分正解です。

王道的なアイドル路線をもりもりにするよりは、飾りの部分を削った方が彼女の素の魅力が伝わるということですね。

誰との間にも壁を作らない、飾らない性格とか、バンジーをあっさり飛ぶ思い切りの良さ、などなど。

まあ、ここで話を終わりにしてもいいのですが、なんかしっくりきませんね。

テイストを少し変えたのは、単にその方が、魅力が伝わりやすいからだけなのか、ちょっと引っかかります。

単に親しみやすいアイドルとして扱うのであれば、他のメンバーがとった路線の延長線上に乗った気がします。

もしかすると彼女を既存の乃木坂の枠に嵌めたくないという心理が働いていたのではという気もするんです。根拠はありません、そんな気がするだけです。

 

巷では将来のキャプテン候補とかバラエティー担当とかの呼び声が高いようですが、それだけに捕われずに、妄想をいっぱいに広げて第二弾を書いてみたいと思います。

 

(つづく)