かわや(旧よろずや)のブログ

好きな乃木坂、映画、漫画などについて語ります。

中西アルノさん、いろいろ~その弐・その人物像と歌の魅力について

前回のブログの続きです。

前回のブログはこちら。

yorozu831.hatenadiary.jp

 

このシリーズの第一弾を投稿してから、もうすでに一年近く経ちますが、ようやく第二弾を書き終えました。第二弾を書き始めたのが去年の5月8日(書き始めた日付をファイル名に入れているのでわかるんです)、それから一年近く塩漬けにしてしまいました。

 

前回の記事は『Actually...』のMVが中心でした。今回は、アルノさんのパーソナリティーと歌についてもう少し踏み込んでみたいと思います。

彼女の言動から見える姿は、彼女がドМキャラであること、それから平和主義者であることです。

それから、彼女の歌についても、もう少し踏み込んであれやこれや書きたいと思います。5期生の歌唱力の凄さは多分、乃木坂の歴史を塗り替える可能性があるように思っています。その中で、彼女がどのような位置にあるのかについて書いてみたいと思います。

本当は彼女の映画の趣味とか、出演している番組(俳句の番組など)を見たうえで、その人物像を深く掘り下げるつもりだったんですが、なかなかそういう時間がない(やる気がない?)ので、今持っているネタで完結させようと思います。

 

きっとドМキャラ、平和主義者

 

ちょうど自分が乃木坂に興味を抱き始めたのが2022年春で、『Actually...』の発売時期と重なります。

その時分は2期生の追っかけみたいなことをしていて、2期生の動画を漁って見まくっていたわけです。

なので、世間で騒がれているほど、『Actually...』に対する興味がさほどなく、シングルのカバー写真に映っているアルノさんを見て「なんか乃木坂っぽくない子が写ってるな」くらいの印象しかありませんでした。

ネットの評判はもっぱら『Actually...』が欅坂46(現在の櫻坂46)っぽいとか、アルノさんが当時の欅坂の平手友梨奈さんに似てるとか、全体的に乃木坂らしくないと、評判がいまいちだったように記憶しています。今にして思うと、「どこが?」と首をかしげるような言われ方ですけどね。

それに、アルノさんの過去の活動が掘り起こされ問題視され、自粛騒ぎになりました。

さんざんなスタートを切ったためか、『Actually...』と中西アルノさんの世間的な印象は悪かったと思います。2期生以外に関心がなかったため、ちゃんと調べもせず、自分もそんな世間的な風潮をそのまま飲み込んでいた輩だったのでした。

 

そんな印象が変わったのは、彼女の自粛明けから少し経ってネットに出回った動画です。

5期生の看板番組『超・乃木坂スター誕生』のメイキング動画かなんかだったと思います。アルノさんが、上下四本の親知らずをいっぺんに抜いて、頬が腫れて、餌を食べすぎたハムスターみたいになってしまい、それを周りのメンバーから「中西マルノです」といじられる動画です。

思わず笑ってしまいました。

自粛騒動もあり、メンバーとの間に微妙な隙間ができて居心地悪い思いをしているんだろうなあ、と思っていたんですが、そうでもないなと。

女性どうしでいじり合っているってことは、良好な人間関係ができているってことです。女性は仲の良くない人との間には垣根を設け、建前で接しますが、心を許し合った間柄になると結構辛辣ないじりを平気でしますから。

 

アルノさんはもともと繊細で、人の感情の機微にすごく敏感な人です。それは、周りのメンバーが口をそろえて言っていることです。

そんな彼女が5期生の中でたった一人選抜に入り、しかもセンターを任されたうえに、加入前の活動が問題視されて自粛したんですから、おそらく私たちの想像をはるかに超えるメンタル的な重傷を負ったと思います。

ああいう風に彼女をいじるのも、居心地の悪さを感じないように他の5期生ちゃんたちが気遣ってのことなんじゃないでしょうかね。

 

ちなみにその動画の中で、アルノさんの性格が如実に出ていると思われるシーンがあります。

他のメンバーに両の頬を両手で挟まれて「顔のフォルムが…」といじられていたときの彼女の表情が、やや怯えたような目をしています。実際には怯えているわけではありません。相手に強く出られたときに、ドМの人が浮かべる表情です(だと思う)。

経験上、ドМの人の目って、感情が表に出るよりも、引いたような感じの目になるんです。抽象的な表現でわかりにくいと思いますが。

世の中には「やられたらやり返す」人もいれば、「やられたらやられっ放し」の人もいます。彼女は典型的な後者のパターンに該当するのではないかと思います。逆に前者のパターンに該当するのは井上和さんじゃないかと。彼女、そうとう我が強そうですから。

今回の記事では、アルノさんと非常にいいコントラストになるので、他のところでも井上和さんに登場してもらう予定です。別に知り合いでもなんでもないんですが、彼女のことを「和ちゃん」と馴れ馴れしく呼ぶことにします。そっちの方がキーを打ちやすいからです(自分、かなキー入力しているもんで)。

 

もう一つエピソード。

2023年の年始に放映された『乃木坂工事中』の件です。こちらの動画、公式がYouTubeに公開している動画です。

www.youtube.com

 

この回、黒見明香さんの「カマキリ」キャラですっかり有名な回です。

黒見さんの学生写真が、まるで人工物のような映りになってしまい、顔の比率も変で、妙に顔の下半分が尖って見えるため、「カマキリじゃん」といじられ大盛り上がりした回です。

 

 

『乃木坂工事中第393回 B級ニュース大賞 2022前編』より

 

MCのバナナマンさんに強烈にいじられ、全員の爆笑を買うのですが、このときにアルノさんだけ、首を横に振る様子が映し出されます。

 

『乃木坂工事中第393回 B級ニュース大賞 2022前編』より

 

 

これ、明らかに黒見さんをいじることに対する不快感を表していますね。

 

その昔、『乃木坂工事中』で、秋元真夏さんの頭の大きさを堀未央奈さんがいじったときに、その後ろにいた星野みなみさんが首を横に振り、露骨に不快感を表していました。そういう風に人の身体の特徴を笑いものにするのが気に入らなかったのか、あるいは堀さんの物言いがよくないと感じたのか理由はわかりません。何にせよ、星野さんの表情は「そういうことは言わない方がいいんじゃない」と明らかにとがめるような表情でした。

しかし、アルノさんの表情は、とがめるというよりは少し悲しそうな感じがします。「そんなことを言わないでください」というような感じです。なんか彼女の性格をよく表しているような気がするですね、このシーン。

 

他のメンバーは、黒見さんの人格とは切り離して大笑いしているのに、少なくともその当時はそういう割り切り方ができなかったみたいですね。業界慣れした今となっては、別のリアクションを取るかもしれませんが。

ちなみに隣で爆笑している和ちゃんが、そんなアルノさんの方にちらっと目をやるシーンがあります。心配しているように見えましたが、そうなのかどうか。。。

黒見さんといえば、5期生に一番先に親しく接してくれた先輩ですから、きっとそんな黒見さんをアルノさんはリスペクトしていたんでしょう。

バラエティーのネタとして割り切ることができない、ピュアなところがあるのかもしれません。

想像ですが、下ネタとかを流せない、むしろ泣き出しちゃいそうなキャラのような気がします。この辺のピュアさは、池田瑛紗さん(通称「テレパン」)にも似た印象があります。

 

アルノさんの性格を簡単に表すなら、ドМ、ピュア、それにおそらく平和主義者というところじゃないかと思います。

相手が強く出たら、自分が引いてしまい衝突を避けるんじゃないかと。

プライドが強いタイプは、我を押し通しますから、他人の主張に納得できなければ、それに強く反発すると思います。和ちゃんにはそういう要素を強く感じます。

対して、アルノさんは正反対な印象があります。相手が強く出たら、衝突を避けて簡単に自分を曲げてしまうところがあるように見えます。そういうシーンは、過去の番組から発見できなかったので、まあ、想像に過ぎませんけど。

相手に飲み込まれることを避け、群れることは好まず、相手との間に快適な距離を持てるごく少数の人間とだけ仲良くするタイプのように見えます。

この辺、陰キャを公言しているテレパンと共通するものがありますね。二人とも学校の教室の片隅でぽつんとしてそうな人に見えます。仮に陽キャの岡本姫奈さんが同じクラスにいたとしても三人の間に何の接点もできなさそうですね。

アルノさんとテレパンは互いに警戒し合ってなかなか近づかなさそうに見えますし、岡本さんもキャラクター的に陰キャの人と積極的に交わる人でもなさそうですから、これまた接点ができなさそうなんですが、乃木坂に入って三人が大の仲良しになるんだから、人生わからないもんですね。

 

中西アルノさんは5期生メンバーから癒やしキャラのような言われ方をしますが、それは、上に書いたことが理由ではないかとおもいます。

自我が出っ張っていないため、構える必要がないし、安心して話せるし、何でも受け止めてくれそうだしというところなんでしょう。

この辺の感じは、3期生与田祐希さんにも通じるものがあるように思います。ちょっとパンクな発想もある彼女ですが、我が出っ張っていない人ならではの独特の柔らかさを感じます。そういう人と一緒にいると、素のままでいることができるんだと思います。

 

他にも、彼女の映画の趣味とか、闇の部分とか興味をそそられる部分は多々あるのですが、データ不足で、あんまり想像ばっかり膨らませるのもなんなんで、歌の話に移りたいと思います。

 

アルノさんの歌の魅力

 

あっちこっちの記事でアルノさんを乃木坂最高の歌姫と持ち上げていますが、もう少し詳しく書いてみたいと思います。

ちょうどいいコントラストになるので、ここでも和ちゃんに登場してもらいます。

 

まず、和ちゃんの歌唱力のすごさについて触れてから、それと対比する形でアルノさんの魅力を語ってみます。

 

乃木坂46で歌うまと称される人は、過去、現在を通していろいろといます。そういう方の歌を聞いて確かに声もいいし、耳に響くなとは思うのですが、ときどき音程が安定していなかったり、声がつぶれてしまったりと若干、不安定なところがあるように思います。まあ、歌ばかりが専門ではないので致し方ない側面はあるのでしょう。

自分は、サックスみたいに環境によって音程が変わってしまう楽器をやっていたせいか、おそらく他の人よりも音程には神経質になる傾向があります。なので、歌の中でちょっとした音の外れも気になってしまうので、ちょっと見方がシビアかもしれません。

サックスって、気温とかのコンディションで音が上がったり下がったりするんです。それから吹くところに付けるマウスピース(同じ銘柄であっても)を替えるだけで音程が(音質も)変わったりします。何かと微調整が必要になる楽器なんです。

おそらく、サックスに限らず楽器をやっている人は、やっていない人に比べてその辺の見方はシビアになるんじゃないかと思います。

なんて言いながら、その実、楽譜通りの音で歌える=歌うま、とも限らないとも思っています。さっきの話とは矛盾する話になりますけれども。

音程外れまくっているのに、なぜか味があっていい歌い手さんもいます。

最近の風潮として、AIで歌を採点して、それで点数が高ければ歌うま認定となるようですが、それもどうかなと思います。人の感性に訴えるかどうかなんてAIでは認識できませんから。

音程外れているけどいい歌い手さんと、単なる音痴との境界線って何なんでしょうね。

 

話が脱線したので元に戻します。

乃木坂に過去、現在と歌うまのメンバーがいますが、5期生の加入でがらりと様子が変わってしまったように思います。

歌の安定感のみならず、その他の面で見ても、和ちゃんとアルノさんは頭一つ抜けている感じがします。

 

和ちゃんの歌唱力の高さは良く知られていますが、5期生の冠番組『超・乃木坂スター誕生』で披露しているのを聴いていて、ときどき圧倒されることがあります。

たとえば、歌の中で音を伸ばすところが出てきますね。そこで、単に音を伸ばすだけでなく、伸ばしている途中で声に「圧」をかけて歌に迫力を付けることがあります。

「圧」をかけるという言い方が正しいのかはわかりません。ボーカルはあまり詳しくないので。前にも書いたとおり、サックスを吹いていたことがあり、そのときに「圧をかける」という表現に慣れ親しんできたので、ついついこういう表現になってしまうのですが、「腹から声出せ」のイメージに近いです。最初、普通に出していた声を、腹(?)を使って太い声にする、みたいなイメージです。

そういう彼女の姿を見ていると、「この子、歌に命かけてんな、すごいな」と感嘆します。

それと、声量があって、艶のある声をしています。アルノさんのような声にクセがないので、どんな曲にも対応できる幅の広さもあるように感じます。

 

対して、アルノさんは、そういうテクニックはあまり使っていないように思います。自分が知らないだけで素人には気づきにくい、いろいろなテクニックを駆使しているのかもしれませんが、少なくとも和ちゃんのような一聴してわかる派手なテクニックを使わないように思います。

それから、声自体も独特のクセがありますね。陰があり、少し気だるい感じの声をしています。複数人が歌う歌割の中でも彼女の声は比較的はっきり聴き取れます。

ああいう声質は、透明感のある歌声の持ち主が多い乃木坂にあって異色な感じがします。

しかし、言い換えれば、乃木坂のカラーとは違った歌にも適応できる、ということにもなると思います。

 

和ちゃんに比べて、声にクセがあるし、声量もさほどあるわけでもなく、おそらく和ちゃんほど曲の応用範囲が広くなく、ハマる曲を選んでしまう傾向があるように思います。

そんな彼女にとって最大の武器は、感情表現なんだと思います。

感情を絞り出すように歌い上げたときに彼女の本領が発揮されるように思います。感情をぐわっしとつかまれて揺すられるような感覚になります。単にうまいとか、そういうレベルの話を越えちゃってるんじゃないかと。

 

今後の乃木坂に、和ちゃんレベルの歌い手が加入する可能性はあると思います。

前に、ボーカルのスクールに通っている人の歌をカラオケで何回か聞いたことがありますが、やはりレベルが全然違います。発声から何からすごく訓練された人ならではの歌です。素人ではまったく太刀打ちできないレベルです。和ちゃんの歌もそういうレベルの歌に聞こえます。

しかし、アルノさんには、そういうプロっぽさとも違うものを感じます。

うまい絵を描く人はたくさんいますが、「これ、すげえ」と感情を揺さぶるような絵は滅多にない、ということと同じです。

そういうわけで、自分はアルノさんを乃木坂史上最高の歌姫なんじゃないかと思っているんです。

乃木坂のパブリックイメージもあるせいか、コンサートではあまり冒険した選曲はできないようですが、『超・乃木坂スター誕生』では、個人のキャラに合わせた、結構攻めた選曲をしてくるので、彼女のキャラならではの歌を唄ってもらいたいなあと個人的に思っています。

たとえば、厚化粧して退廃的、世紀末的な歌を唄ってもらうとか。清楚なイメージを大事にする乃木坂的にはNGでしょうが、個人的にはそういう乃木坂の枠からはみ出た彼女を見てみたいです。

 

そういえば、5期生の冠番組になっている『超・乃木坂スター誕生』も今年で三年目に突入しましたね。

最初の一年目は試行錯誤している感じがしましたし、5期生の魅力を引き出せているように見えなかったのですが、二年目からがぜん面白くなってきたと思います。

自分の記憶が確かであれば、二年目突入の第一弾で奥田いろはさんが、ゴリゴリのロリ衣装を着たアイドルを演じたと思いましたが、あれって、ブリブリのアイドルを演じるのが苦手ないろはちゃんをいじっていますよね。

なかなか、いい傾向だと思います。スタッフが5期生のキャラを把握し、ある意味、悪意のある「いじり」を入れてきたということは、作り手側と演じる側にいい関係ができてきた証拠でもあると思います。

和ちゃんが「にゃんにゃんなぎ」のぽーずを取るのに気乗りしないのを知っていて「にゃんにゃんなぎ」を連発する「にゃぎ神様」とかいうキャラクターを作ったのも、そういう意図があるんではないかと。

歌のコーナーの選曲も、各メンバーのキャラに合う歌を選んだり、またメンバー自身にも曲を選んでもらうようになっていますね。しかも、選曲に制限をかけていないんじゃないでしょうか。乃木坂的にNGになりそうな「ヤバい」曲も取りあげています。

乃木坂さんには一皮むけてほしいと願っている自分には、『超・乃木坂スター誕生』に期待するところは大きいです。

 

話が右往左往した感がありますが、これでアルノさんシリーズはいったんおしまいです。