かわや(旧よろずや)のブログ

好きな乃木坂、映画、漫画などについて語ります。

7枚目シングル『バレッタ』~その弐・選抜発表の続き、その余波

前回の記事の続きです。前回に引き続き、今回も7枚目シングル『バレッタ』まわりの話を書きます。

前回の記事はこちら。

yorozu831.hatenadiary.jp

前回の記事を投稿してから約一年経っちゃってます。さぼり癖が付いていて、いかんですね。

 

今回の記事では、2013年10月7日に放映された『乃木坂って、どこ?』第104回、7枚目シングル選抜発表の後半について書きます。

それから、選抜発表後の余波についても書きます。1期生2期生の関係性を中心に見ていきたいと思います。

 

選抜発表の模様・後編

 

『乃木坂って、どこ?』第104回、7枚目シングル選抜発表の模様の続きです。

アンダーから選抜に抜擢された人が3人出て、祝福の拍手が起き、暖かい空気で進んだ選抜発表ですが、選抜メンバーの発表があと残すところ二人になった段階で、前曲でセンターを務めた白石麻衣さんが呼ばれます。これで、今回の曲で彼女がセンターでないことが明らかになります。生駒里奈さんもセンターではないため、誰が選ばれても新センターということになります。

バナナマンの設楽さんにマイクを向けられて白石さんは、「どんなポジションを与えられても、そのポジションの中で頑張る」という主旨の優等生的な発言をします。

そして、最後にセンターとして2期生研究生の堀未央奈さんの名前が呼ばれたのですが、MCの設楽さんもメンバーも「誰それ?」という反応です。

このとき、2期生は、スタジオに見学に来ていたのですが、カメラが見学中の2期生に向き、びっくりして泣き出した堀さんを大写しにします。

 

 

それまでの「乃木坂って、どこ?」でも、2期生の出演は一回だけです。1期生との顔合わせ程度の内容で、2期生からの「先輩のことをどういうふうに呼べばいいですか?」というような簡単な質問に対して1期生が答える形で番組が進められています。

堀さんにしても「その他大勢」の中の一人、みたいな出方でした。特に目立ったわけでもなく、「この子、来そうだな」なんて思う人は、よほどのアイドルマニアでない限り、ほとんどいなかったのではないかと思います。

 

この時期の2期生は、研究生として扱われていて、正式メンバーとしての活動ができない状態です。何を基準にしているのかよくわかりませんが、正式メンバーに昇格すると、正式メンバーとしての活動(つまりコンサートに出れるなど)が許されるという制度が2期生に課されていました。後にも先にも、研究生制度が敷かれたのは2期生のときだけです。

 

堀さんが呼ばれたときの白石さん、メンタルがしんどそうで痛々しくて見てられない感じです。白石さんの視線が堀さんに向かっているとき、何とも切ない表情です。

そりゃ、そうですよね。

生駒ちゃんからセンターのバトンを渡され、自分なりに精一杯、頑張ってきたのに1回でセンターを外され、「私の何が悪かったんですか?」と叫びたいくらいの気持ちだったと思います。事実、番組の収録後、桜井玲香キャプテンにすがって彼女は泣き崩れます。まだ、センターが曲ごとに変わるということが定着していなかった時期ですから、白石さんにしてみれば、自分の頑張りを否定されたことになります。

と同時に名前を呼ばれた堀未央奈さんも、コメントを求められて辛うじて頑張る的なコメントを返していますが、その後に発表された2期生のドキュメンタリーに映されている堀さんの様子を見ると、選抜発表後の彼女は心ここにあらずという風体で完全に夢遊病者状態です。

 

堀さんがセンターとして発表されたときの他の選抜メンバーは一様に無表情(あまりにも突飛すぎてどう反応していいかわからない)に見えましたが、映像で見る限り、生駒里奈さんと若月佑美さんは肯定的な反応です。大きく頷きながら拍手しています。

 

この場面のすぐ後に、高山一実さんが笑みを浮かべています。

後述しますが、高山さんは堀さんセンター抜擢を予想したらしく、このときの笑いは「やっぱりきたか」という笑いなのかもしれません。

生駒さんは選抜発表のあと、イの一番に堀さんに話しかけ、「私が守るから」と話し、不安な気持ちでいっぱいの堀さんを勇気づけています。おそらく長きにわたってセンターを務め、プレッシャーと戦ってきた立場から思うところがあったのでしょう。

堀さんは、このとき生駒さんから受けた恩を大事にし、のちに後輩のメンタルを気にかけるようにしています。

このことと直接的に関係あるのかどうかわかりませんが、この記事の続編の最後の方で20枚目シングル選抜発表の様子を書いています。

初選抜で不安な表情を浮かべている山下美月さんに、隣のポジションにいる堀さんがにっこりと笑いかける場面があり、このシーン、なにか生駒さんに受けた恩を形にしているように見えて個人的にはすごく好きなシーンです。

ただ見る人によってだいぶ見方が違うでしょうから、人によっては妄想としか思えないかもしません。まあ、そんな見方もあるのかねえ程度に読んでくれるとうれしいです。

 

生駒さんと同じく、堀さんのセンター抜擢に肯定的な反応を示していた若月さんですが、彼女は2期生に対して最初からフレンドリーに接していたそうです。

彼女自身の弁によると、学生時代の部活で先輩との間に壁ができて常に委縮していたという苦い経験から、後輩がそういう思いをしないように、自ら積極的に話しかけ、先輩と後輩の壁を作らないように働きかけている、ということなのだそうです。

 

そのほか、秋元真夏さんも、自分の境遇に似ている堀さんを何かと気にかけていたようです。

真夏さんは、1期生でありながら、学業の都合で最初からは活動に加わることができず、4枚目シングルからグループ活動に合流し、いきなり福神のポジションを得ることができたものの、新参者ゆえの肩身の狭い想いをしています。

 

選抜発表の場に話を戻します。

運営からの手紙が紹介されました。バナナマンの設楽さんが代読します。その内容を全文引用します。

乃木坂46のメンバーの皆さんへ
今回の選抜発表
皆さん驚かれたことと思います。
いろいろな感情を
抱いたままだと思いますが
今はまだ何もない
センターを担う2期生堀未央奈
皆さんが力を合わせて育ててください
あなたたちの行動が
未来の乃木坂46を作ります
乃木坂46運営委員会

 

この手紙の内容、メンバーに刺さりますかね。

普通に考えれば、まだ実力未知数、しかもろくに面識もない子を引っ張り出してきて「育ててやってね」ってかなりの無茶振りですから、当然のことながら、メンバーも反発するでしょう。

この選抜発表を受けたあとの橋本奈々未さんのブログを引用します。

こんにちは
7thの選抜発表がありました。
引き続きフロントメンバーに選んでもらいました。
ありがとうございます。
今回も頑張っていきます!!
そして今回はセンターに
二期生の未央奈を迎えます。
選抜発表の収録は少し前にありました。
発表された瞬間は、正直受け入れられませんでした。
未央奈をではなく、大人の判断を。
収録が終わった後、みんなで泣きました
1期は乃木坂の結成からずっと一緒にやってきて、
この2年間、2年しか経っていないことが嘘のように感じるくらい
嬉しいことも辛いこともたくさん一緒に感じてきたし、一緒に過ごしてきました
まだ握手会の日に控え室でしか顔を合わさない、何の経験もない
2期生がセンター
こんなこと言える立場じゃないのは分かってる、けど、
何を基準で抜擢されたのか全く私たちには不明確で、悔しかった
でも決めたんです。
7枚目、未央奈を支えるし、一緒に頑張ります。
モヤモヤした思いを抱いている時間は
自分にとっても、未央奈にとっても、乃木坂にとっても
何のプラスにもなりません。
きっと未央奈はここから数ヶ月
センターという大変なポジションで活動していくことで
飛躍的に成長するだろうしどんどん魅力的になるはずです。
けど、皆さんに
「やっぱり1期は違うね、力があるね」
と思ってもらえるように
わたしも未央奈と一緒に成長して、輝いていきたいと思います!(`_´)ゞ
そう意識させてくれた未央奈には感謝しているし、私を成長させてくれる存在で。
一緒に頑張っていこう!!今度ご飯行こう!
なんかあったら、
隣にいるしなんでも聞いて!言って!(`_´)ゞ
未央奈を応援しようと思ってくれている方は既にたくさんいると思いますが
私たちも負けずに頑張るので、
これからも変わらず乃木坂46を応援してほしいです!
よろしくお願いします!

 

このブログは、しごくまっとうな内容だと思います。普通の感覚だったら、まず受け入れられないでしょう。面識がほぼない子を差し出されて、いきなり「とにかく育ててやってほしい」と言われたら、「はあ?」という反応がほとんどでしょう。

その子がどんな子で、能力的にとか、戦略的にどうとかこうとか説明があって、初めて「そういうことか」と納得できる話ですから。

それでも、さすが橋本さん、大人です。どういう事情かはさておき、それを飲み込み、決まった以上は、ぐちゃぐちゃ言わず、最高の結果を残せるように頑張るという決意表明しています。

 

今回が初のいわゆる「お披露目センター」です。

あえて説明の余地はないでしょうが、お披露目センターとは、新しく入ってきた期生が、センターを飾るというやつです。それまで大した活動をしていない、新人を看板として出すのですから、当然、サプライズになりますし、世間の注目を浴びることにもなります。

堀さんに続くお披露目センターは、この後に3回あります。

まず、3期生のお披露目センターとなった18枚目シングル『逃げ水』、このときは大園桃子さんと与田祐希さんのダブルセンターです。次に、4期生のお披露目センターとなった24枚目シングル『夜明けまで強がらなくていい』、このときはセンターが遠藤さくらさんでその横を賀喜遥香さんと筒井あやめさんが固めるという布陣でした。そして最後は5期生のお披露目センターとなった29枚目シングル『Actually...』、センターは中西アルノさんです。

世間的には「いずれは、この子が乃木坂の顔になるので応援よろしく」というメッセージでしょうし、乃木坂のメンバーに対しては「今後は、この子を推していくのでみんなで面倒見てやってください」というメッセージなんでしょう。

別にそのこと自体に問題があるとは思いません。

ただ、初の「お披露目センター」を出すのだから、まだそういうことに免疫ができていない彼女たちにもうちょっと説明のしようがあっただろうとは思います。

 

なんにせよ、このお披露目センターは、彼女達の属している世界が一般的な組織とは異なる「The 芸能界」であることもメンバーに突きつけたことにもなります。

運営側の想いとしては、芸能界ではこのくらいのことが当たり前に起きるんだよ、という業界のシビアな面を肌で知ってもらう効果を狙ったのかもしれません。つまり、ここは一般組織ではあり得ない力学が働くところなんだ、ということですね。

でも、そうすると、さっきの運営からメンバーに当てた手紙はいかにも中途半端な気がします。彼女たちのショックを和らげる緩衝材としては機能しないでしょう。

とまあ、あれこれ書いてますが、お披露目センター自体が初の試みだったわけですから、どうやっても批判されるでしょう。あまりブツブツ言っても生産的ではないかもしれません。

何はともあれ、波乱含みの選抜発表となりました。

 

その後の乃木坂のセンターの動きを追っていくと、運営サイドも堀さんにとんでもない重荷を背負わせてしまったのを後悔してか、新しい期生を一人で先輩の中に送り込むのをやめています。

さっき書いたように、18枚目シングル『逃げ水』のときはダブルセンター、24枚目シングル『夜明けまで強がらなくていい』のときはフロントを4期生で固めています。おそらく負担軽減策なのでしょう。

ただし、29枚シングル『Actually...』で5期生初センターとなった中西アルノさんの場合は、5期生一人だけ選抜という形で、堀さんのときと同じ状態になっています。

もうすでに乃木坂の中にも、そういうセンター抜擢の方法に耐性ができているという判断かもしれません。

あるいは、後述しますが『バレッタ』のときと同様に、秋元康さんの「ゴリ押し」があったのかもしれません。秋元康さんが彼女の歌声にいたく感動したということなので、また悪い虫がうずいたのかもしれません。もしそうだとしたら、冷静な判断を欠き、勢いに任せてセンターとして抜擢したため、かつてのような負担軽減を怠ったということはあり得ます。

もうすでに抜擢されるメンバーも、それを囲む選抜メンバーも免疫ができているから大丈夫という判断があった可能性もあります。

とは思うものの、中西さんみたいな繊細な子を5期生でただ一人だけセンターに送り出すというのはどうなのか疑問に思います。個人的には、堀さんのときと同じ過ちを犯している気がします。

 

そんなこんなで、7枚目シングルは波乱含みの選抜発表だったわけですが、実は、堀さんの抜擢は青天の霹靂ではなかったことが明かされます。

ネットでは堀さんセンター抜擢のリーク情報が出回ってたそうで、また、『乃木坂って、どこ?』の中でも、メンバーが堀さんセンターを予想していたとの話が出ました。

2015年1月12日放映の『乃木坂って、どこ?』第167回『乃木坂46オモテ年表ウラ年表! 後編』で乃木坂の歴史を振り返るという企画があったのですが、ここで、川後陽菜さん、和田まあやさん、高山一実さん、斎藤ちはるさんが次期センターの候補として堀さんに目星をつけていたと発言しています。

理由を聞かれてもあまり要領を得ない回答だったため、詳しい理由はよくわからなかったのですが、なんとなく雰囲気だったようです。

この回の生駒ちゃんの発言によると「次にこの子来るな」ということが何となくわかるんだそうです。

その当時、まったく乃木坂に興味がなかった自分には、その辺の空気感がまったくわかりません。

 

ただ、今は、リアルで乃木坂の動きを追っているので、ある程度、空気感みたいなものは自分なりに感じるところはあります。

たとえば、次のシングルがどういう陣営になるかは大体想像できます。もちろん、外れる可能性は大いにあるのですが、今の空気感からするとこうなるだろうなあ、という予想です。

脱線ついでに、36枚目シングルの大雑把な予想を書いておきます。

35枚目シングルでは3期生が全員選抜になりましたが、これは一種の花道モードだと個人的には捉えています。ですから、次のシングルでは、来年の6期生の合流も念頭に入れた、4期、5期中心のフォーメーションになりそうな気がします。3期生はフロントから一歩下がり、代わりに5期生が入ってくるのではないかと思います。

特に、5期生はフロント経験者が井上和さんと中西アルノさんの2人だけなので、次のシングルではその他の5期生がフロントに入ってきそうな気がします。そろそろ、そういう頃合いなのではないかということですね。

とまあ、リアルタイムで動きを追っていると、何となく流れのようなものを感じるので、当たり外れは別として予想みたいなものはできますね。

 

閑話休題、堀さんのセンター抜擢の話に戻ります。

正直、選抜発表の時点で、1期生2期生について知り得る情報はさほどなかったように思えるため、堀さんのセンター抜擢を1期生が読んだというのは、にわかに信じがたい面もあります。

実際のところ、堀さんのセンター抜擢には、秋元康さんの意向が強く働いていたようです。彼女の加入にあたって「乃木坂の未来」とまで絶賛していたので、彼女を強力にプッシュしたということは容易に想像できます。

もしかして、そういう話が風の噂として彼女たちに耳に入った、ということは考えられなくもないですが、実際のところはわかりません。

 

7枚目シングル選抜発表の余波の続編は、次の記事(近日公開予定)に続きます。この選抜発表がきっかけとなって1期生と2期生の間に溝はできたのかどうか、それから波乱万丈となった堀さんのその後の経緯を追います。