かわや(旧よろずや)のブログ

好きな乃木坂、映画、漫画などについて語ります。

櫻坂3期生ドキュメンタリーとTakahiroism

謹賀新年。2023年中に投稿する予定が年を越えてしまいました。投稿する前に風邪をこじらせて臥せっていました。

 

最近、『私たち、櫻坂46三期生です』というタイトルの3期生のドキュメンタリーにはまっています。

YouTubeの公式チャンネルで公開されていますね。

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今年(2023年末執筆時点)の初めに加入した櫻坂46の3期生メンバーに、難曲の課題を与え、それをクリアできたら3期生楽曲のMVを撮影するという流れを追ったドキュメンタリーです。

課題曲は2ndシングル『Ban』(2021年4月14日リリース)で、フリが激しく難しいと言われている曲です。

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しかし、こういうドキュメンタリーがYouTubeに無料で公開されているのも、つくづくいい世の中だと思います。

 

ついでなんで、アイドルのドキュメンタリー全般に関する想いも書きます。

アイドルのドキュメンタリー

もともとアイドルとは無縁の生活していたんですが、乃木坂46の2期生が「不遇の2期生」と呼ばれていたのに、何が不遇なのか、そしてどうなったのかを追っていくうちに病みつきになり、いつの間にかアイドルに興味を持つようになりました。

多分、こういう入り方は特殊なんだと思います。

たいていは、誰それが可愛くてドストライクとか、曲がよくてはまったとか、そういうことがきっかけなんじゃないでしょうか。

 

興味の対象も個人の容姿がどうかというよりも、誰かどんな性格をしていて、どんな風に人と交流をしているのかとか、自分自身をグループの中でどう位置付けているのかとかにすごく興味があります。

なので、ライブを見て盛り上がるとかというよりも、人間的なドラマがはっきり表れるドキュメンタリーにすごく興味があり、動画の中ではドキュメンタリーを見る回数が圧倒的に多いと思います。

 

もともと成長の物語が好きだということもあるでしょう。たとえば、漫画だと(古い漫画で恐縮ですが)『頭文字D』とか『スラムダンク』とかです。

 

ただ、アイドルの成長の物語って、そういう漫画とも違うテイストがありますね。

若い女子が主人公なわけですから。

全般的な傾向で言うと、男性は感情を抑える傾向がありますが、女性は感情があふれるシーンが多いように思います。

自身の感情よりも合理的な判断(仕事がうまく回るとか、組織がうまく回るとか)を優先させる男性に比べると、感情がストレートに伝わるシーンが圧倒的に多いように思います。

 

自分が女性アイドルに向けている視線は、生粋のファンとは違っていると思います。それは、入り方が違っているせいもあるでしょうが、おっさんならではの目線というのも大きいかなと思います。

『超乃木坂スター誕生』という番組に乃木坂46の5期生が出演していますが、その中でメンバーがソロやユニットで歌を披露しています。

番組の初期の頃には、ソロ歌唱を初披露するメンバーが不安のあまり泣き出してしまうシーンがありましたが、冨里奈央さんが初ソロで歌う段になって、やはり泣き出して座り込んでしまったことがあります。

そのときに、MVのオズワルド伊藤さんが「クビ覚悟で抱きしめてやりたい」と発言していましたが、まさにあの目線です。

もちろん抱きしめたらセクハラになってしまうので、そんなことはできませんが、あの気持ちはすごくわかります。全力で若い子を励ましてやりたいという損得勘定抜きのおっさんマインドです。

 

エモいエモいドキュメンタリーですが、だからと言ってそれを美談として鵜呑みにするのは危険じゃないかとも思います。

坂道グループのドキュメンタリーって、欅坂46の『僕たちの嘘と真実 DOCUMENTARY of 欅坂46』に見られるように、わりと事実が赤裸々に伝えられている印象がありますが、それでも、見せられない情景(たとえば喧嘩など)は運営側の要請でカットされていたり、着色されていたりするんじゃないかと想像します。だから、そこに映った場面だけを額面通りに受け取るのは危険かもしれません。

 

それに、そもそも純粋にエンターテイメントとして良し悪しを見るべきなのに、彼女たちがいかに葛藤してきたのか、苦労してきたのか感情移入してしまうと、きちんと評価できないというマイナス面もありますね。

多少パフォーマンスが悪くてもよく見えてしまうという。

 

ただ、そういったマイナス面を差し引いても、やはりドキュメンタリーは見ていて面白いと思います。なかなか表には出てこない彼女たちの裏の姿、本音に触れると、等身大の人としてすごく親しみがわくからです。

 

3期生のドキュメンタリー

加入したての3期生がレッスンを受けながら成長していく姿を追ったドキュメンタリーです。

ハイライトは、櫻坂の楽曲の中でもトップクラスの難易度を持つ『Ban』をマスターし、その完成度いかんで、3期生楽曲のMVを作るかどうか判断するというものです。

武者修行的な課題が与えられたわけですが、実際には「無茶行」とでも言った方が正しいかもしれません。

ただ、その狙いは、技術的な完成度よりは、どこまで食らいつけるのか彼女たちの気持ちとポテンシャルを見たかったんじゃないかと個人的には思います。

 

コーチからは厳しい言葉をかけられたり、褒められたりしながら、少しずつ力を付けている姿に心打たれるのですが、個人的には振付師のTakahiro先生が練習にかかわるようになってからエモさがエスカレートしたように思います。

ダンスのフリだけでなく、曲との向き合い方、自分との向き合い方を諭すシーンはいいですね。ドキュメンタリーの中でも「長い物差しと短い物差しを持つように」など名言を仰っているのですが、別の視点でTakahiro先生の指導の特徴をまとめてみます。

 

常に相手と同じ目線に立つ。

相手が立っていたら先生も立って話すし、相手が座っていたら、先生も座って話をしています。決して相手を見おろすような目線で会話することがありませんね。

 

超有名な話だと思いますが。欅坂時代のドキュメンタリーでも、平手友梨奈さんの代わりに急遽センターに抜擢された小池美波さんが、不安に押しつぶされて廊下に座り込んで泣いているときに、Takahiro先生も座り込んで話をします。

『僕たちの嘘と真実 DOCUMENTARY of 欅坂46』より

 

それまでずっとセンターを張ってきた平手さんの代わりが自分に務まらないと思う小池さんに対して、落としどころは「君は君らしく、それでいいんだよ」というところでしょう。それは、親子間であれ、附き合っている男女間であれ、ありがちな光景のように思います。

でも、ここでいいなと思うのは、小池さんの心が閉じないように間を置きながらゆっくりと彼女の気持ちに入っていこうとするTakahiro先生の接し方です。

それと、無理に表情をクローズアップすることなく一歩引いた視点で淡々と事実を映そうとしているカメラワークもいいですね。

相手の気持ちを確かめてから一言、「それに対しての自分の意見も言ってもいいですか」。

こういうワンクッションを入れられるところが素敵ですね。

 

否定的な言葉は使わない。

Takahiro先生の言葉を聞いていると、否定的な言葉はまず出てきませんね。

例として、『Ban』のフルバージョンのフリを確認しにきたTakahiro先生が、3期生のパフォーマンスをみたときの感想を引用します。

今思ったことは、やるようになったなあという感想。
ただ、ライブにこれを出したときに、「わっ」って思われるかというと、違う感想になっちゃうと思うんだ。

「これじゃとてもライブに出せない」という言い方はしませんね。

そして、その後にどうすればいいか話を続けます。

 

挨拶は低く

挨拶は地べたに頭を擦り付けるような挨拶ですね。まさに平身低頭。

これは、Takahiro先生独自のスタイルというよりは、櫻坂の文化なんですかね。Takahiro先生がいない場面でも、みんな深々と挨拶しています。

相手に対する感謝の念と「謙虚であれ」ということを表しているように思います。

三期生ドキュメンタリー『私たち、櫻坂46三期生です』より

 

ドキュメンタリーのワンシーン。

手前側がTakahiro先生、向こう側が櫻坂3期生。

Takahiro先生の挨拶は両肘を張るスタイル。武士の礼を髣髴させます。これを「お武家スタイル」としましょう。

対して、3期生メンバーは両手を前に出して重ねるスタイル。なんか大名行列のときに道の端に土下座しながら挨拶する「町人」スタイルに見えますね。

まあ、意図的にそうなったのか自然にそうなったのかわかりませんが、面白いと思います。

 

メンバーがTakahiro先生の物真似しているところを見ると、いかに彼女たちが先生を慕っているかがわかります。女の人は、親しみを感じていない人をいじったりしませんから。