かわや(旧よろずや)のブログ

好きな乃木坂、映画、漫画などについて語ります。

祝発売34枚目シングル『Monopoly』、感想や考察もどきなど

またもやタイミングが遅れての記事となります。先月下旬に34枚目シングル『Monopoly』のMVが公開されてから、もう半月くらい経ってしまっていますが、一応、自分なりに考えるところがあるので記事にしました。

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歌詞については「独占したいのね」と軽く流して、音楽面とMVのドラマに焦点を当てて書いていきたいと思います。

ポイントはこんな感じです。

  • 音楽面では、「安定の品質、でもちょっと攻めてみた」という感じがしたので、その辺を中心に書いてみます。
  • MVのドラマを見て強く持った印象は、サクちゃんの策士ぶりのすさまじさですね。カッキーを餌で釣って操り、よそ様のものを乗っ取り、そして本命のカッキーの愛も手に入れる(ように見える)という様子が書かれているのではないかと個人的に思っています。

 

音楽面で見ると面白い

作曲はお馴染みの杉山勝彦さん、今回も安定の品質でお届けしますってな感じですね。

この方が作る曲は、乃木坂の世界観との親和性が高いような気がします。

 

この曲は、比較的落ち着いた印象を与える曲なのですが、その代わりなのか音形が面白いと思います。

下の楽譜のとおり、出だしのこの音のリズムと、サビの音のリズムが同じです。八分音符の後に付点四分音符が続く音型が続きます。

 

 

この系統の音楽の中では、このような形の音符割は珍しいのではないかと思います。少し不安定な感じを受けます。

こういった感じのリズムの「遊び」はジャズではよくありますが、こういう系統の曲では珍しいのではないでしょうか。もちろん、この曲にはジャズ的な要素は皆無です。

音形とメロディーから独特のエレガントさがあるのですが、ドラムが突っ込み気味で、しかも、ときどき暴れています。

ちょっと面白いと思ったので、取り上げてみました。

 

MVのドラマは実にドロドロ

さて、今度はMVのドラマに話題を移します。ぱっと見た感想は、まあ、すさまじいドラマだったと思います。

ドラマの中で主役を張る賀喜遥香さんと遠藤さくらさん、ともに性格の良さでは定評のあるお二人ですが、ドラマの中では実に悪い人間を演じています。

感心したのは、意外に、と言ったら失礼にあたるかもしれませんが、お二人とも役者ですね、あんな悪い表情できるんだ、と。

おかげでなかなか見ごたえのあるドラマになっていると思います。内容的には胃もたれしそうなほどドロドロしているんですが。

 

正直、わかっていないところも多々あるのですが、おそらくこうであろう、と思ったことを書いていきたいと思います。

ところどころ断定的な言い方をしている箇所もありますが、あまり「だと思います」という書き方を続けているとバカみたいな文章になるので、あえて断定的な言い回しをしている箇所もあります。といって自信満々に書いているわけではありません。その辺は差し引いて読んでくれると嬉しいです。

 

さて、曲のタイトルになっているMonopoly(モノポリー)というゲームもなかなかドロドロしたゲームで、ゲーム相手を蹴落とし、資産を独り占めしちゃえってな感じで権謀術数がうごめく世界ですからね。そんな世界観に寄せたMVになっているんだと思います。

 

では本題に入りたいと思います。

 

冒頭の賀喜遥香さんと遠藤さくらさんのこのシーン。

けばい色立ちの花をバックにした場所に二人がいます。

ここは「陰謀の間」とでもいうような場所で、二人が陰謀を巡らせる場所のようです。策士の遠藤さんが賀喜さんに計画を持ち掛けているところだと思います。

この空間で何を企んでいるのかは後で説明します。まずはMVを追っていきましょう。

 

二人のシーンの後に、会食の場になりますね。

ここで主要人物の性格が明らかになります。

 

まず、遠藤さくらさん(以下、サクちゃん)。

冒頭の「陰謀の間」のシーンで、策士らしい腹黒い表情をしていましたが、ここのシーンでは最初、無表情です。ちょっとサイコパスっぽい設定になっていますね。

そして注目してほしいのは、賀喜さんが登場してからのサクちゃんの表情です。賀喜さんを見るときの表情が、邪心のない屈託のない表情です。終始、悪そうな表情をしている彼女が、人間らしい表情を見せる数少ないシーンです。

つまり、腹黒い策略家でありながら、賀喜さんに向けている愛は本物の愛、純粋な愛、ということになります。

最初の無表情と合わせて考えると、策略とカッキー以外にはまったく無関心ということになりますね。

 

次に、賀喜遥香さん(以下、カッキー)。

お気づきの方も多いと思いますが、彼女だけ服装の系統が違っています。

他の人たちが高貴な服を着ているのに対して、カッキーの服はみすぼらしい感じがします。そしてやたら目立つ花のイヤリング。

このいでたちは、どうもジプシーをイメージしたのではないかと個人的には思っています。情熱的で熱しやすく冷めやすい浮気者タイプってことですね。

最初に登場するときに、みんなよりも遅れて登場し、他人のテーブルのお菓子をつまみ食いしているし、テーブルに着いてからも、相席の遠藤さくらさんにはまったく無関心でお菓子をぱくついています。

おそらく、育ちがよくない、ということでしょう。

つまり、類まれな美貌の持ち主でありながら、生まれも育ちも悪いという設定のようです。
そして、おそらくお金のためなら何でもする、というタイプの子でしょう。

しかし、そういうことが分かっていても、その美貌と天真爛漫な笑みにやられちゃうってことなんでしょう。典型的な小悪魔ですね。



次の主要人物は山下美月さん(以下、ヅッキー)。

池田瑛紗さんとペアの席ですが、互いにまったく知らんぷりをしています。

もともと相手が嫌いだとか、好きでないということなのかもしれませんが、後で出てくる久保さんと違って、社交辞令的な話すらしませんね。

つまりヅッキーは、プライドが高く一本気な性格、自分の気持ちでまっすぐな直情径行型の人、という設定なのかもしれません。

一応、少し笑顔を浮かべているのですが、表層的な笑顔で、実は不機嫌そうです。

不機嫌の理由は、意中の人、カッキーと別の席だからです。意中の人がカッキーであることは後ではっきりします。

 

そして最後に久保史緒里さん(以下、シーちゃん)。

彼女は相席の与田さんと談笑しています。仲睦ましいですね。しかし、騙されてはいけません。

MVをよく見ていると、彼女の顔が一瞬真顔になり、「やってられねえ」系の表情を浮かべます。

ヅッキーとは違って、表を取り繕うことはできる女性という性格付けらしいです。

そして、不機嫌の理由はヅッキーと同じです。意中の人、カッキーと別席になっているからです。シーちゃんがカッキーにぞっこんなのは、後のシーンで明らかになります。

 

サクちゃんがテーブルの上のドミノを倒します。

これ、多分、ゲームの始まりの合図ですね。いろいろなものが崩れちゃいますが、それが何を意味するのかは後ではっきりします。簡単に言うと「乗っ取り」ということだと思います。

 

そして、パフォーマンスのシーンに移ります。

ここで誰でも気づくように、フロントに岩本連加さんをもってきます。これみよがしに岩本さん、大きく映っていますね。

ここで皆さん、「あれ、久保ちゃんは?」と不思議に思ったでしょう。

そして、メンバー全員が映るように上からのロングショットになりますが、やっぱりシーちゃん、いませんね。

これはおそらく、シーちゃんの不在を際立たせる演出だと思います。

 

そして、その種明かしをするために、パフォーマンスのシーンから、シーちゃんの後ろ姿のショットに移ります。

少し先走りますが、シーちゃんがカッキーに向かって走っていくシーン、これと似たシーンが後の方でも出てきます。左がシーちゃん、右がヅッキーのシーンです。

 

ともにカッキーとの逢引のシーンなのですが、この二つのシーンに共通しているのは、左右にメンバーがいて、その真ん中をシーちゃん、ヅッキーがそれぞれ歩いているということです。

これ多分、両脇のメンバーは使用人みたいな存在、そして中央を行くシーちゃん、ヅッキーは、その場所のオーナーなんじゃないかなと思います。

もしそうだとすると、シーちゃんは果樹園のオーナー、ヅッキーは何だかよくわかんない場所のオーナーということになりますね。

 

ということを念頭に置くと、サクちゃんはオーナーを篭絡して乗っ取りを企んでいるのではないかという推測が成り立ちます。

そして、カッキーを買収してその手駒として使っているのではないかと。カッキーは物欲が強く、モラルがあまりなさそう子ですから、報酬を出せば何でもやってくれそうですね。

まさに、Monopolyのゲームそのものですね。

 

シーちゃんはカッキーに向かって一直線。カッキー一筋なのがわかります。

対してカッキーは無関心。まあ、無関心を装っているのかもしれませんが、ここでシーちゃんは晴れてカッキーと逢引したことになります。

少し先のシーンになるのですが、ヅッキーの逢引シーンも併せますと、まあ、二人とも本当にうれしそうですね。嬉しい余りに、くるっとターンしちゃってます。



そして、続けて出てくる悪いほうの二人。

思いどおりに行っちゃって笑いが止まらないサクちゃんに、悪人の表情を浮かべるカッキー(通称「悪ガキ」)。

 

話を戻します。

この逢引のあと、シーちゃんはドラマパートから退場します。パフォーマンスシーンを除いてまったく出てこなくなります。

どういうことでしょうか。

多分、シーちゃんは闇に葬られたのだと思います。

カッキーのすごく悪い表情がありますが、おそらくカッキーに毒を盛られたとか、そんなところじゃないかと思います(そうと思わせるシーンはないのですが)。

さて、ではその後、果樹園はどうなったのか。カッキーが乗っ取るのですが、その辺については後で説明します。

 

パフォーマンスのシーンから、ヅッキーの逢引シーンに移ります。次のターゲットってことですね。

右から左へヅッキーが移動し、奥に向かってサクちゃんが立ち去ります。

ヅッキーが振り返って愛想を振りまくのですが、そのお相手は、おそらくカッキー。画面上には現れませんが、今までの流れからするとそうなりますね。

そして、奥に向かっていく去っていくサクちゃんが、この逢引の手引きをした首謀者ということなんだと思います。

 

しかし、ここなんでしょうね。枯葉みたいなのが床に落ちているみたいなんですが、落ち目ってことですかね。

果樹園の人たちと会食するってことは、果樹園と関係しそうな組織のような気がするんですが。。。

 

逢引の後のシーンがこれ。

奥にいるサクちゃん、逆光になっています。

これ、乗っ取り成功の図ですね、多分。

おそらくカッキーと逢引させてあげることを条件に何らかの取引をしたんじゃないかと思います。取引の内容は具体的にはわかりませんが、経営権を自分に移しやすくなるような条件なんでしょう。

ここで注目したいのは、シーソーみたいなやつが水平になっていること。前のシーンでは、傾いていましたね。

陰謀の間にある天秤と対応関係にあるように思います。天秤が水平に釣り合っている状態と意味的に呼応しているのではないかという感じがします。

 

実は天秤の意味、よくわかっていないのですが、天秤に乗せる「りんご」はカッキーの魅力を表し、「石」はサクちゃんの謀略を表す、そしてこの二つが釣り合ったときが二人の策略がうまくいく、というように考えているのですが、なんか違う感じもしますね。「りんご」は報酬を表すとか。。。うーん、よくわからん。

何にせよ、シーソーみたいなものが水平になっているのは、二人の謀略がうまくいった、ということを表しているように見えます。

 

さて、この後の核心的なシーンを切り出して続けて見てみましょう。

 

矢印の流れに沿って、上の図を追っていくと、果樹園がカッキーの手に渡った後、サクちゃんに乗っ取られ、カッキーたちは追放された、ということになるのだと思います。

二番目のシーンでは、果樹園の中でカッキーを中心にメンバーが踊っています。

しかし、その次のシーンでは、サクちゃんが中心になり、しかもメンバーも変わっています。どうやらヅッキーは子分にされてしまったみたいです。それと、果樹園のレイアウトが微妙に違っているように見えますね。おそらく、カッキーは経営権をはく奪されたということなんでしょう。もちろんサクちゃんの策略です。過去の悪行を噂に流し、カッキーをいづらくしたとか、そんな風な手口で追い出したのではないかと。

そして最後にカッキーたちは野外にいますが、これは多分、追放されたことを表しているのだと思います。この辺、禁断の実をかじって楽園を追放されたアダムとイブを連想させるんですね。関係あるかどうかわかんないけど。

 

自分の推測が合っていたとしたら、サクちゃんはひどい人ですね。

しかし、これは最初から、サクちゃんの作戦なんだと思います。

その作戦とは、「私の愛を受け入れてくれたら、元に戻してあげる」ということじゃないかなと思います。つまり、サクちゃんは最初から、自分の欲しいものを全部手に入れるつもりだったのではないかと思うんですね。

 

左が、後ろの花が崩れ行くシーンの前にいるカッキーとサクちゃん。右が、自らサクちゃんの手を取りに行くカッキーです。

左のシーンは、サクちゃんがカッキーに元に戻る条件を出し、カッキーが歓喜の声を上げているところ、そして右のシーンは、サクちゃんの条件を飲み、カッキーがサクちゃんの愛を受け入れるところなんじゃないかと思っているんですが、そう思いつつ、やや違和感を覚えています。

カッキー、林檎を手に取ってすごく喜んでいるのですが、何でしょうね、これ。いまいちよくわからんです。

 

では、サクちゃんの策略を整理してみます。

  • カッキーに乗っ取り計画を持ち掛け、カッキーに協力を依頼する。果樹園を乗っ取ったらカッキーの持ち物に、ヅッキー経営の組織の乗っ取りに成功したら自分の持ち物にするという条件で計画を話す。
  • しかし、この時点で果樹園からカッキーを追い出し、最終的に自分の持ち物にすることを考えている。
  • 追い出されて困っているカッキーに戻るための条件を用意していた。その条件とは自分の愛を受け入れてくれること。

 

ということですね。

 

ドラマの最後で、天秤が林檎の方に傾きます。何でしょうね。最後は愛が勝つってことでしょうか。

さっきは天秤の林檎をカッキーの魅力と書きましたけど、これを見ると、「愛」なのかなと思います。

というものヅッキーもシーちゃんも、愛ゆえに没落したわけです。

そして、サクちゃんの本当の狙いは、カッキーに何不自由しない生活を送ってもらえるようにすることなのかもしれません。カッキーが物欲に走るのも貧しかったから、と考えると、サクちゃんの本当の狙いは「乗っ取り」ではなく、カッキーの生活を豊かにするための財を築きたかったとも考えられます。

突き詰めると、彼女たちの行動原理は、すべてカッキーへの愛、ということになりますね。

 

ついでなので紹介しますと、途中、こんなシーンも出てきます。

メンバーの構成、見ている向き、何か意味ありげですね。そのときどきの思いや都合で、人はくっついたり離れたりしていることを表しているような気がするのですが、実はこの辺、よく見ていません。ちゃんと見れば新しい発見があるかもしれません。

 

こんな感じで、見るほどに新しい発見があるのかもしませんね。