7月14日深夜の『乃木坂工事中』で36枚目シングルの選抜発表がありました。
5期生の躍進が目立つ選抜になり、選抜メンバーの約半分を占めるようになりました。また、35枚目シングルで全員選抜入りしていた3期生が前シングルから7人減って4人になりました。
35枚目シングルでは卒業する山下美月さんを3期生全員で見送る形になり、3期生全員11名が選抜入りしましたが、それは35枚目限りで、その次のシングルでは通常のモードに戻り、3期生が減り、その分、4期生、5期生が増える、と予想した人は多かっただろうと思います。
自分もその一人です。前の記事で、36枚目シングルはおそらく4期生、5期生が中心になるだろうと書きました。
この辺は、今までの流れからして順当な路線だったと思います。
今回の選抜の布陣を見ると、抑えておいた方がよさそうなポイントが何点かあります。
- 選抜メンバーの人数の半数が5期生になった。
- 5期生のフロントが3人になり、5期生最年長の池田瑛紗さん、5期生エースの井上和さん、5期生最年少の小川彩さんがフロント中央を固めた。
- 35枚目で選抜からアンダーに移動していた筒井あやめさん、菅原咲月さん、冨里奈央さんが本シングルで選抜に復帰した。
- これまで選抜の人数が20人だったのに19人に減った。
そのそれぞれに意味があるように思いますので、それについて書いていこうと思います。
選抜メンバーの人数の半数が5期生になったこと
以前、乃木坂46には人気サイクルがあるのではないかという話を書きました。
個別握手会/ミーグリの完売状況の推移、個別握手会/ミーグリの免除、選抜メンバー人数のうち各期が占める割合の推移、この3つの要素を絡めて考えると各期の人気のサイクルがあるのかもしれない、という仮説です。
まとめると次のようになります。
- ある期(A期生とします)が加入してある一定期間が経過すると、個別握手会/ミーグリの参加が免除になるメンバーが出てくる(個別握手会/ミーグリの完売部数が400部になると免除になると言われています)。
- そうすると、その期(A期生)の個別握手会/ミーグリの売上が落ちる。理由は、稼ぎ頭だったメンバーが免除になり参加しなくなるから。
- 免除組が出た期生(A期生)の選抜メンバーは免除組に絞られ、固定化する。つまり、その期の選抜の人数は減る。
- 減った分の人数を補う形で次の期(A+1期生)が選抜人数でも躍進し、選抜メンバーの半数を占めるようになる。
簡単に言うと、各期に人気の上昇・下降のサイクルがあって、人気が下降した期生の選抜メンバーは減り、その期の次の期が躍進して選抜メンバーの半数を占める、ということです。
各期とも、そういうサイクルの上に乗っているのではないかという仮説です。仮説と言うと大げさに聞こえますが、そこで主張していることはわりと当たり前のことかな、と思っています。
そして実際、3期生、4期生はそういう流れに乗っているように見えます。
この傾向の裏付けに使えるか微妙なのですが、一応、データを出しておきます。
個別握手会/ミーグリの完売状況の推移、それから選抜メンバーの各期の構成人数と個別握手会/ミーグリ免除のタイミングを図にしてみました。
まず、完売状況と個別握手会/ミーグリ免除のタイミングです。
下のグラフは、3期生が個別握手会/ミーグリに参加した17枚目からの期別の完売スコアを表しています。スコアの計算方法は先の記事に書いてあります。
赤い太い矢印は、ミーグリが免除になるタイミングを表しています。次のシングルから免除される、という意味です。
3期生のメンバーがミーグリ免除になるタイミングを境に、3期生のスコアは急降下しています。4期生も、36枚目のミーグリから免除になるメンバーが出てくるはずなので、4期生のスコアも36枚目から落ちるのではないかと思います。
ちなみに、26枚目のところで折れ線ががくんと落ちますが、これは、コロナの影響で個別握手会が対面形式からリモート形式のミート&グリート(ミーグリ)に変わったためです。3期生、4期生ともにがくんとスコアが落ちます。そして、概ね低調のまま推移し、その後、5期生加入とともに5期生に人気が集中するという図式になっています。
5期生の人気は長期間にわたって高止まりしていますが、おそらくこの傾向は、6期生が加入するまで続くのではないかと思います。
次に、選抜メンバーの人数のうち、各期がどれくらい占めていたかをグラフに表してみました。
3期生が個別握手会/ミーグリが免除にするタイミングで、4期生が選抜メンバーの半数を占めるようになります。
そして、4期生の中に個別握手会/ミーグリが免除になるメンバーが出るタイミングで5期生が選抜メンバーの半数を占める形になりました。
37枚目以降もこの傾向が続くようだったら、先の仮説はまあまあ正しそうだと言えると思います。
先ほど「A期生」、「A+1期生」という形で箇条書きで仮説を説明しましたが、それを具体的な事実に落とし込んでみます。
「A期生」を3期生、「A+1」期生を4期生とします。そうした場合、こうなります。
30枚目シングルから、梅澤美波さんなど3期生が免除組に入り始めています。そして、3期生のうち、免除組は選抜に常に入り、免除組以外のメンバーは選抜に入らなくなります。
また、4期生はちょうど30枚目シングルから32枚目シングルまで選抜メンバーの半数を占めています。33枚目シングルからは5期生が本格的に選抜に入るようになり、それぞれの期で仲良く選抜の人数を分け合う形になります。
そして今度は、36枚目シングルが次のサイクルの変わり目と見てよさそうです。
4期生の賀喜遥香さんと遠藤さくらさんが、このシングルから確か免除になり、そのタイミングで5期生が選抜メンバーの半分を占める形になりました。もし、この仮説が正しいとすると、6期生が加入するまでの間は、選抜メンバーの半数を占めることになります。
データのサンプルが少ないので、かなり緩い仮説です。なんとなく理屈上はそうかもね、というレベルの話です。
5期生の3人がフロント中央を固めた
まず、大前提として、3期生が35枚目シングルで全員選抜になったことについて軽く説明します。
35枚目シングルでは、山下美月さんの卒業を同じ期(3期生)全員が選抜として送り出す、という形になりました。この体制の主旨が、今までの3期生の労をねぎらうものであることは誰の目にも明白ですね。
今まで乃木坂を支えてきてくれてありがとう、ということです。
しかし、裏を返せば、次のタイミングからは今後を見据えた体制に移るからね、という宣言でもあります。
組織的な言葉で使うと「仁義を切った」ということです。組織としてきちんと礼を尽くしたのだから、あとはこちらで思ったように事を動かしますね、という宣言です。
つい最近の香港のライブまで3期生全員が主力グループに参加する形で活動しました。個人的には、そこまでこの体制を引っ張るとは思っていなかったので、情に厚い采配だったなあという印象を持っています。
そして、36枚目シングルから3期生の選抜メンバーはぐっと減り、山下美月さんを除く選抜常連組=個別握手会/ミーグリ免除組に戻りました。
36枚目シングルの選抜メンバーは、(前述の)「仁義を切った」直後の人選であるため、この体制は、運営が前々から温めてきた体制であるとも言えます。
36枚目シングルのフォーメーションはこうなっています。
センターが5期生の井上和さん、その脇を5期生最年長の池田瑛紗さん、5期生最年少の小川彩さんが固め、そしてフロントの両端を4期生エースのお二人が固める形になっています。
このフォーメーション、デジャブ感がありますね。24枚目シングル『夜明けまで強がらなくていい』を彷彿とさせます。
このフォーメーションは、世代交代を意識させるフォーメーションになっています。絶対的エースと言われた1期生の白石麻衣さんが2列目に下がり、新世代エースと言われた1期生の齋藤飛鳥さんと2期生の堀未央奈さんがフロントの4期生を挟む形になっています。
前の記事で、36枚目シングルの選抜で井上和さんに続くエース格がわかるのではないかと書きました。もし、そうだとすると、テレパンが和ちゃんに続くエース、あーやが未来のエース、というような位置づけで出てきた可能性もあります。
しかし、自分には、5期生の最年長、エース、最年少のメンバーをフロントに並べたことには別の意図があるように見えます。
5期生をずらりと並べるわけにはいかないから、最年長、エース、最年少を代表として並べた、というように見えます。政党で言うところの挙党態勢みたいなものではないかと。つまり、これからグループの中枢に5期生がどんどん入ってくる、ということなのだと思います。
単純に人気メンバー3人を並べました、というのとは違う感じがします。
どうも引っかかるので、ちょっと深読みしてみました。
もし、単純に人気順に並べるとしたら、テレパンはわかるものの、あーやはまだ早く、おそらく五百城茉央さんあたりが順当なところかなと思います。ここ最近のミーグリのスコアを見ると、五百城茉央さんが井上和さんの後に続く形になっています。
前の記事では、5期生の序列をわかりにくくするために運営が意図的に攪乱している、と書きましたが、このフォーメーションを見たときに、もしかして、そもそも序列なんて存在しないのではないかと考えるようになりました。
「いや、決まっているでしょ。和ちゃんが一番でしょ」と突っ込みが入ると思いますが、そのとおりです。でも、決まっていることは意外に少ないのではないかと思います。
「和ちゃんには乃木坂の顔になってもらう」くらいが決まり事としてあって、あとは臨機応変、メンバーの個性に応じて誰を出すかを決める、みたいになっているんじゃないかと。そうとでも考えないと、5期生の選抜メンバーのポジションがころころ変わる(というか傾向が読めない)ことの説明が付きません。
ところで、選抜発表前に、五百城茉央さんのCMがフューチャーされ、歌番組でフロントに立ってめちゃめちゃ目立っていましたね。これでにわかに茉央ちゃんのセンター説が急浮上し、X(旧Twitter)では茉央ちゃん祭り状態になっていました。
前述したように、茉央ちゃんの人気はトップクラスなので、次のエースとして浮上したとしてもまったく不思議ではありません。
ただ自分から見ると、ファンを煽っているようにしか見えず、「また、攪乱してやがる」、「ファンをおちょくっているだろ」とむかっ腹を立てていたのですが(さすがに茉央ちゃんのセンター就任というのは短絡的すぎるだろうと思っていました)、選抜発表のあとに冷静になってみると、もしかして、わかりやすい事象をすぐにポジション(あるいは序列)に結び付けたがるファンの心理を逆手にとったメッセージだったのかもしれない、と思うようになりました。
たとえば、「5期生を単純な序列で動かす気はないのよね。そういう目で見るのやめてほしいのよね」というようなメッセージです。当然、運営サイドが真意を明かすわけはないので、真偽のほどはわかりません。ただ、もしそれが本当だとしたら、「序列」という言葉が大嫌いな自分としては嬉しい話です。
整理すると、今回の選抜発表は、最初から茉央ちゃん祭りとセットになっていたのではないか、ということです。つまり、すわ茉央ちゃんセンター抜擢!と騒いでいた人、そして自分みたいに真意が読めずにむかっ腹を立てていた人は「まんまと踊らされていた」ということではないかと。
選抜とアンダーの間をスライド移動したメンバー
35枚目シングルで3期生が全員、選抜に入り、選抜の定員オーバーになり、何人かの選抜常連メンバーがアンダーにシフトする形になりました。
選抜からアンダーに流れた人のうち、選抜に戻ってきた人、アンダーにとどまった人、さまざまですが、4期生の筒井あやめさん、5期生の菅原咲月さんと冨里奈央さんの3人は、ある意味、セットのような扱いになっていて、わかりやすい動きをしているため、この3人に着目して動きを見ていきたいと思います。
この3人は34枚目シングルでは選抜メンバーで、3人とも3列目にいました。そして、35枚目シングルでアンダーに移りました。
確かこの3人がアンダーに移ったときに、人気からいって相応ではないかという声が上がっていたと思います。
34枚目シングルのミーグリのスコアで見ると、確かに筒井あやめさんと菅原咲月さんはやや振るわないところがあり、そう言われてもおかしくはない面はあります。
ちょっと乱暴ですが、34枚目シングルのミーグリのスコアのみで選抜を決めるとします。
35枚目で3期生11人が全員、選抜入りするとなると、選抜の人数を20人として残りの枠は9人になります。スコアの高い順に9人を選抜として選ぶとした場合、筒井あやめさんと菅原咲月さんは確かに選抜から外れることになります。ただ、その他に4期生二人が選抜から外れることになります。そうなった場合、かなりショッキングな選抜になったと思います。
冨里奈央さんは、むしろ上位に位置し、普通に考えてアンダーに行くことはないはずです。先ほどのショッキングな選抜になるのを避けるために、彼女に今回だけ涙を呑んでもらった、という見方もできます。
ただ、単純にスコアをベースに動いているようにも見えません。
35枚目のアンダー楽曲でこの3人だけでフロントを構成している点から見ても、明らかに扱いが違っていて「特別待遇」に見えます。
そして、36枚目になって揃って選抜復帰しているのですから、「この3人には不本意ながらアンダーに異動してもらった」というように見えます。
実際のところ、筒井あやめさんと菅原咲月さんには、スコアとかなんとかとは別の次元で運営から「目をかけられている」ように見えます。
この3人とは別に、選抜からアンダー、アンダーから選抜に移った人の中で感慨深いのは中西アルノさんの選抜入りです。
29枚目シングルでいわゆるお披露目センターとして表題曲センターになった後、ずっとアンダーで活動していました。これは異例のことです。
お披露目センターを務めたメンバーは、その次の参加シングルで必ず選抜入りしています。アンダーに行くことは異例です。彼女が初めてです。
彼女の場合、乃木坂加入直後に活動自粛の期間があったため、その余波と考えることもできますが、それにしてもアンダーの期間が長すぎます。
お披露目センターの後、5期生の選抜入りが本格的に始まったのは32枚目シングル(2023年3月29日発売)からで、このとき、アルノさんはアンダーとなりました。それから通算4枚分のシングルを経て、ようやく選抜入りです。期間にして約1年半、アンダーとして活動していたことになります。
その間の彼女の人気は高く、選抜入りはまだかまだかという声が上がっていました。
36枚目シングルが新体制を前面に押し出しているため、このタイミングで彼女が選抜入りするのは、ある意味、満を持して、というようにも見えます。
しかし、自分は違う見方をしています。どろどろとした大人の事情があったのではないかと見ています。
前の記事で、「中西アルノさんはなぜ選抜に入れないのか」という記事を作るかもしれないと書きましたが、まさにそこに書こうとしている内容は、その「大人の事情」です。某先生と乃木坂運営(ソニーミュージック)との間に「綱引き」があったのではないかと個人的に観測していますが、内容がセンシティブなうえに、裏付けになる材料が少なく、記事にできないでしょうね、多分。
選抜人数が20人から19人に減った
ここしばらく選抜の人数は20人でした。32枚目シングルから35枚目シングルまで一貫して20人でした。
その前を少しだけ遡ると29枚目シングルが18人、30枚目シングルが19人、31枚目シングルが18人です。また、全体で見ると、だいたい18人から22人の間を行ったり来たりしている感じです。
ですから、今回はたまたま19人になった、という見方をしてもまったく違和感がありません。
しかし、勘ぐるならば、「今回からアンダーから選抜に引き抜く枠を廃止した」というようにも見えます。
29枚目シングルあたりから、アンダーから選抜に1人、2人引き抜くという動きがありました。いわゆる「お試し選抜」とか「思い出選抜」とか言われる選抜です。
あるいは、メンバーの総数が減ってきたので、選抜の人数を減らさないと、アンダーの人数が少なくてバランスが悪いということかもしれません。
あまり楽しい話題ではないので、そんな見方もできるね、というところでとどめておきたいと思います。
最後に
今まで書いてきたことは、あくまでも今までの選抜制度が続き、選抜とアンダーという活動の枠が継続することを前提としています。
いわば現状追認という形で書いてきました。
しかし、それは本意ではありません。以下、ほぼ愚痴になります。
他の記事で、6期生加入からこの体制が変わるのではないかと願望込みで書いています。端的に言ってしまうと、自分は「選抜制度廃止」論者です。
いや、正確に言うと「現行の選抜制度の廃止を唱える」論者です。
毎回同じようなメンツ、似たような企画が続いているように思うので、真っ向から歌唱力勝負で挑むのもよいのではないかと思います。
たとえば、「今回は歌中心でいきまーす」というテーマ設定で歌うまの子ばかりの選抜、たとえば久保史緒里さん、林瑠奈さん、柴田柚菜さん、中西アルノさん、井上和さん、奥田いろはさん....みたいな選抜をやってほしいと思っています。
もちろんアイドルとしての本分もありますから、「あざとかわいく」路線全開というのもありだと思います。そういうときは、それこそミーグリの売れ行きのいい人を上から選べばいいと思います。
いろいろと多才なメンバーが揃っているのだから、特定のメンバーばかりがスポットを浴びるのではなく、もっとメンバーの個性が生きるような形にしてほしい、というのが自分の願望です。