かわや(旧よろずや)のブログ

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『「じゃあね」が切ない』MV感想~センター五百城茉央さんの澄んだ歌声

今回のテーマは、35枚目シングルに収録されている5期生楽曲『「じゃあね」が切ない』です。『踏んでしまった』以来、久しぶりに刺さった曲なので取り上げてみました。

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これで、29枚目シングルから連続して7枚連続して5期生楽曲が続きました。3期も4期も5枚連続でいったん途切れ、その後に30枚目シングルに久方ぶりに3期生4期生の期別楽曲が収録されました。

5期生が最多の期別楽曲を持っているわけですから、やはり5期生優遇は本物ってことですね(いまさらですが)。

2024年8月26日付記。【訂正】期別楽曲の最多は、5期生楽曲と書いていますが間違いです。35枚目シングル発売時点で最多は3期生楽曲の9曲です。

 

過去に、33枚目シングルのアンダー楽曲『踏んでしまった』が刺さり、勢いあまって記事を二つ書いてしまいましたが、あれ以来、『「じゃあね」が切ない』が久しぶりに刺さりました。

刺さり方は『踏んでしまった』ほどではないんですが、ここ最近の乃木坂の歌の中では気に入っているほうです。

なかなか哀愁があって個人的に好きな路線なんですが、なんでしょう、軽く聞き流せない、襟を正して聞かなくてはならないような独特の雰囲気があります。おそらく曲調と、メンバーの歌唱力が絶妙にマッチしたからじゃないでしょうか。

 

センターは五百城茉央さん。

MVを観て改めて思うのは、この曲、五百城さんの声の魅力を引き出すことはもちろん、五百城さん、井上和さん、中西アルノさんでトライアングルにすることが目的だったんじゃないかと。

下の図はこの曲のフォーメーションです。

この三人がトライアングルになっています。

この三人の組み合わせが、MVのハイライトにもなっている感じがします。

声質の違う三人の声が醸し出す雰囲気がいいですね。

 

まあ、今回は文字面だけで説明できる気がしますが、頑張って説明する箇所を楽譜にしてみました。

絶対音感はないのですが、相対音感は持っています。なので、キーさえ分かれば音は取れるのですが、楽譜に移すのが苦手です。特にシンコペーションがバリバリにかかっているのは苦手です。プッツンしそうになります。

でも、きっと楽器やっていた人にはあるあるではないかと思うんですよね。耳コピして聞いたその場で同じメロディーを再現することはできるけど、いざ楽譜にしようとすると、めんどくせーとなってしまうというパターン、すごく多いような気がします。

自分のイメージでは、ピアノを長くやっている人に、採譜が得意な人が多いイメージがあります。曲を聴きながらササッと楽譜に写せるっていうのは一種の才能ですね。羨ましい限りです。

などと、いろいろと前振りを書いてますが、要するに楽譜に自信がないってことですwww。

 

綺麗なメロディーですし、冒頭、シンバルが「チキチン」と入るのが、なかなか風情があっていいです。

こういう入り方って最近の曲の中でも珍しい気がするというか、もしかしてないかもしれません。

曲がノスタルジックなノリなので、昔の曲(昭和時代?)にはこういうシンバルから入る曲ってあるんですかね。

ちなみに、自分の中では「チキチン」シンバルというとジャズになってしまうんですが、もちろん、この曲にジャズ的な要素は皆無ですね。

 

出だしです。サビから入ります。

 

 

楽譜に写すとこんな感じです。

哀愁たっぷりのEマイナーです。いたってシンプルですね。その分、ストレートに感情が乗せやすいメロディーなのではないかと思います。しんみりと聞かせるタイプの曲です。

サビの最後にG#(Eメジャー)が入ってメジャー感を入れて感傷的になり過ぎないようにしているみたいです。

曲調自体は、乃木坂によくある「儚い系」「切ない系」に入れてもおかしくないのですが、その枠に収まらない感じがします。

うまく説明できないんですが、アイドル的な要素を極力削ったように聴こえます。ステージで盛り上がるというよりは、席に座って静かに聴くタイプの曲ですかね。

 

全体的に緩やかさ、伸びやかな感じがある旋律なのですが、Aメロ(Gメジャー)は比較的、動きがある旋律で、変化があっていいですね。リズムが細かいというか。楽譜にしようと思ったんですが、リズムが細かくてめんどくさいし、多分、間違った採譜になる気がするので、割愛します。

 

この曲のハイライトは、前述したように、五百城さん、井上さん、中西さんの声が重なるところと、Cメロの五百城さんの独唱の部分ですね。

 

MVの最後のサビ前に、三人の声が重なり、その後に全員のハモリが続きます。このシーケンスが個人的にたまりません。

 

 

三人の声質の違いが独特の厚みを作りますね。こういう厚みって、今までの乃木坂の中でも珍しいのではないかと思います。この効果、絶対、狙って作っている、そんな感じがプンプンします。

 

Cメロはこんな感じです。

 

 

 

二拍三連を中心とした旋律で曲に変化が付いています。

しかし、五百城さんの独唱部分、きれいですねえ。

特に高音部分にすごく彼女の特徴が出ている気がします。

通常、高音になるにつれて声にエッジがかかり、鋭利な感じが増すのですが、五百城さんの声って高音でも優しく丸みのある声をしていますね。

これも狙ったんじゃないかなあと思います。彼女の声質をすごくよく活かした曲という感じがします。

 

MVは、初の5期生楽曲『絶望の1秒前』を撮った今原電気さん。

この方の映像って、わりとカット割りが細かい印象があります。

今回の映像もカット割りが細かく、ころころシーンが変わります。

 

MVの筋立てはこんな風かな、と思います。

 

シチュエーションは主に二つ。

白い衣装を着ているモード(モードAとします)と、普段着を着ているモード(モードBとします)です。

 

モードAの特徴は、ここにあらざるものを描いている気がします。ストレートに言うと、アイドルの持つ虚構性なんではないかと。

白い衣装は、おそらく純潔、無垢の象徴なのでしょう。

モードAのときに、ときどきモヤみたいなもの(スモーク)が左右に流れますが、おそらく現実感を薄めるための演出でしょう。

 

モードBは、言わずもがな、彼女たちの日常を表しているのでしょう。

 

つまり、モードAはおそらくアイドルとしての存在を表し、モードBは彼女たちの日常を表している、MVの中ではそういう棲み分けがされているのではないかと思います。

 

動画の冒頭、おそらく朝日を浴びながらの映像になっていると思います。

 

 

この曲のMVのリリース、35枚目シングルが発表されてから2か月後になっています。

遅れた理由は、セーラームーンのミュージカルのせいかな、と思っていたのですが、このシーンを見て、もしかして撮影時期を選んだのかなという気もしています。

冒頭のシーン、朝特有の澄んだ空気の色合い、匂いというものが映像に刻まれているように見えます。時期的にいうと、4月とか5月とかの空気ですね。この空気を映像化するために、あえて撮影時期を遅らせたのかなあ、という気もしています。

 

動画を通して一つ、共通点があります。

それは、モードAのときも、モードBのときも、一人でいるときは切なそうな表情を浮かべている、そして誰かと一緒にいるときは楽しそうな表情を浮かべているということです。

途中で、机に座って書き物をするシーンが出てきます。

ノートのようなんですが、本ほどの厚みでやたら厚みがあるし、しおりもあるので、同じノートをみんなで共有しているみたいですね。

確かMVの説明を5期生がしていたときに、メンバーに宛てて何か書きしたためているということらしいです。

みんなで共有して書いていたということは、なぜ一人でいるときに切ないのか、自分の気持ちと向かい合う、と同時に、自分が求められていることを知るということになりますね。

 

五百城さんと冨里さん、サビの一回目では手をつなぐだけですが、二回目は抱き合います。五百城さんが導く形で冨里さんがそのまま五百城さんの胸に飛び込む、という図ですね。互いの気持ちを知って関係性が深くなった、というように見えます。

 

とまあ、大体こんな感じに見えました。

ついでなので、5期生がらみで曲とは関係ない話をします。

 

どうも最近の乃木坂の動きを見ていると、今後の乃木坂を占うようないろいろな動きがあるように思います。

たとえば、アンダーに注目がいくようにテレビでアンダーを取り上げてもらっているとか、今年になって5期生の外仕事が増えているとか、です。なんとなく来年の6期生加入を睨んでの地ならしをしているように見えます。

ただ、どんな青写真を描いているのかは実際のところわかりません。

 

ここしばらくの5期生の様子を見ていると、5期生の「二番目(あるいはその以降)のエース」を絞らせないようにしている感じがします。

現在の5期生エースは井上和さん、という点では誰も異論がないでしょう。その後、2番目のエース、言い換えれば2番目以降の序列(←嫌いな言葉ですが他に表現が見つからないので仕方なく使います)が見えないようにしている気がします。あえて絞れないように、運営側が攪乱しているのではないかと。

おそらく5期生のポテンシャルから考えて、5期生のエースが井上和さん一人切り、ということはまずあり得ないでしょう。

36枚目シングルの選抜発表に向けて、サプライズを用意しているのではないかという気がしてならないです。

 

最初の頃は、井上和さん、菅原咲月さん、川﨑桜さんの三人が5期生のエース格として扱われていて比較的分かりやすかったですが、昨年あたりから流動的になっているように見えます。

たとえば、池田瑛紗さん、一ノ瀬美空さんなどが浮上してきたかと思うと、また別のメンバーが浮上してきたりと。

みんな推していまーす、というようにも見えるのですが、個人的には攪乱戦術をしかけているように見えます。

 

おそらく36枚目シングルは、来年の6期生加入を視野に入れた、4期生、5期生中心の布陣になるのではないかと思っています。そこで5期生の次のエース格もはっきりするんじゃないかという気がします。センターかフロントかわかりませんが、今までフロントに立ったことがない人がフロントに入ってくるんではないかと。

誰になっても不思議ではないですし、自分としても、この人にエースになってほしいという特別な思い入れもないのですが、ひとつ、一般論として大学生はエース扱いされにくい、という側面はあるのではないかと個人的に思っています。

今まで乃木坂でエース格だった人は、1期生白石麻衣さん、西野七瀬さん、齋藤飛鳥さん、2期生堀未央奈さん初め、フロント常連+センター経験ありの方々を見回すと、自分の記憶が正しければ大学生はいなかったと思います。

エースともなると乃木坂の顔となる役目になりますから、どうしてもグループの活動だけでなく何かと外仕事が多くなると思います。ですから、大学生活との兼ね合いが難しくなります。大学ともなれば課題提出やら試験勉強やらで忙しいでしょうから、エースとの両立は相当な難行ではないかと思います。

また、運営側としても大学との二足の草鞋を履いているよりも、乃木坂一本に絞って活動してくれているメンバーを心情的にエースとして扱いたくなると思います。

運営サイドとしても各自の意志を尊重しているでしょうから、大学生かどうかで優劣を付けてはいないと思いますが、大学に入らない=乃木坂一本でやっていく、という意思表示でもありますから、そういう子をエースとして取り立てたいという気持ちは当然働くでしょう。

 

まあ、あくまでも今までの流れからすると、という一般論に過ぎません。どうなるかは、そのうちあるであろう選抜発表をお楽しみ、というところですね。